飛雲閣完全自作模型(20)完成② | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

今回は実測図面の立体化をしました。
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本物と同じ写真が撮れます。
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歌仙絵は写真を取り込んでデカールにする方法も考えましたが、高欄を消す作業が面倒だったので手描きにしました。
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真ん中の扉は金具打ちの板唐戸ですが、金具は金で描かれた御簾と同化する上、ごちゃごちゃしてしまうので表現できませんでした。

石組みも出来るだけ本物をお手本にしています。

例えばここの石組みは
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こんな感じです。
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舟入周辺。修理報告書収録の写真です。
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模型ではこんな感じ。
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修理報告書はなんせ約50年前のもので、現在は舟入脇の石組みは階段状に積み直されているようです。

植栽も実景を参考にしていますが大きな移り変わりがあります。
飛雲閣の前庭はこの写真ではかなり緑豊かです。
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しかし、近年では全部伐採されています。
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この手前の木も
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無くなってる!
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黄鶴台がよく見えるようにということでしょうか。
前庭が緑に覆われていた写真の右端には松か何かが茂って、渡り廊下すら隠れていますので、以前は黄鶴台は全く見えなかったのかもしれません。

今回の模型では少し隠れるように茂らせました。
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樹木越しに見る方が風情がありませんか?私が実際に訪ねた時も、奥の方に建物が見えて、かなり奥行き感を抱いた印象があります。

水面はごく静かに、ほんの少しゆらぐ感じにしました。波濤が立っては空気感が壊れていまします。
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今回、フルスクラッチは初経験でした。材料はもちろんプラ材ですが、エバグリーンのプラ棒にはお世話になりました。
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とても細いものが細かいサイズ違いで大量にあります。20種類くらい使いました。一袋718円(笑)。

前の記事でフルスクラッチは楽しいと言っていましたが、終わりの無い作業で途中辛くなりました。
市販キットの切り貼りだと、キットのせいにして逃げられる部分があるのですが、図面と写真から起こすとなると、どこまでも作り込みが出来てしまうので、再現の程度をコントロールするのが難しかったです。
出来ないことまでやろうとすると却って失敗したりします。

瓦屋根では無いというのもあって飛雲閣を選びましたが、図面さえあればある程度フルスクラッチも出来ることが分かったので、今度は瓦屋根の建物にも挑戦しようかなと思いました。

完成写真、引き続き記事にします。