とても複雑な屋根構成なので、どの面から貼り始めるか悩みました。西側の面から始めます。
まず切り出し。
次に破風の切り出し。一階には破風が3つありますが、全て形が違います。大きな唐破風と、メインの緩い入母屋、これは上に盛り上がって湾曲する起り(むくり)屋根になっています。もう1つの入母屋は反対に反り破風です。飛雲閣の変化に富んだ外観をつくりだしている大きな要素です。
木連格子の製作。0.3mmのプラ棒を貼り込みます。木連格子は通常、縦の材(竪子といいます)が前に出ています。飛雲閣もその法則に則っています。
破風板を貼り込んだ破風を取り付け、軒付を取り付けました。軒付(のきづけ)とは檜皮葺や柿葺の軒の厚く葺かれた部分のことです。
上から見たところ。全体に軽いむくりがありますので微調整を行います。
ガイドの取り付け。
南面の屋根も貼り込み、妻の軒付に向かって箕甲(みのこう)を表現。箕甲とは檜皮葺の破風の湾曲が屋根の勾配へと転じるまでの部分をいいます。瓦葺だと掛瓦の部分がこれにあたります。実際の屋根作りでも大変重要かつ高い技術を要する部分です。