安土城→興福寺五重塔リアル塗装① | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

安土城の断面模型を作っておりますが、妻が先に興福寺を作れと申しまして。というのも、今作り出すと、年内締め切りみたいな感じになってしまい、仕上がりに影響がでるやもしれず。確かに、研究の上にあるものですから、一部屋ずつ、きちんと作りたいので、安土城はゆっくり丁寧に製作します。来年春までにはできるでしょう。
年内は在庫放出ということで、大きな箱が場所をとっておりましたフジミの興福寺五重塔からつくります。

とにかく大きい。古建築プラモデルの中で間違いなく最大です。スケール100分の1で高さ約50センチ。
小林工芸の室生寺五重塔(猫が落下させて破損しています)より大きい。
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木製建築模型に勝っています。

とにかくこの大きさですので、リアルに作ろうと思います。
簡単そうで難しいのが木部の表現。
木製模型だと、比較的簡単にできます。
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上は製作中の東大寺南大門(イマイ)、下は薬師寺東塔(ウッディージョー)です。どちらとも日本画の顔料を膠で溶いて着色しており、白壁は胡粉です。木製だとヤスリがけをするだけで下地の白木が出てくるので、木部の退色などが表現できます。

この質感をプラでやるのは結構難しく、興福寺らしくなるよう試行錯誤です。

上が下塗りでブラウンを塗ったところ。
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下が何度か色を重ねたもの。
プレミアム姫路城の製作でもやっていますが、私は混色して色を作って塗るのではなく、下地の上に何色も薄めた塗料をかけることで色を作っています。

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とりあえず唐木のような色になりました。
このキット、大きいということは表面積も莫大で、下塗りだけで塗料を一本以上使用しました。
さらに、五重塔は4面が五段で合計20面あります。壁面20面、垂木20面、屋根20面…一工程増やすと20面ずつ増えていくので、途中苦しくなります。

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下塗りができて仮組したところ。

引き続き屋根。古建築の屋根は単色ではありません。
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特にこのサイズですから、屋根の仕上がりはかなり見栄えに影響します。

まず一色追加。
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もう一色追加。
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最後に薄めたエナメルのブラックをかけました。
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相輪と基壇は未塗装です。
壁面木部の塗装に移ります。