肥前名護屋城⑩遊撃丸の舎殿 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

明日現地取材してきますので、今日までは、取材に左右されない部分をちまちまやっております。

遊撃丸の舎殿とか。

遊撃丸は明国の「遊撃将軍」沈維敬が講和使として来日した際の宿舎があったことからその名がついたとも言われ、簡単な建物があったようです。
屏風では二重櫓のある天守下の部分に描かれていますが、残念ながら、この屏風絵では遊撃丸は小さくデフォルメされており、曲輪内の建物は描かれていません。切妻屋根の白壁の建物が見えるくらいです。
名護屋城博物館製作の復元CGでは2棟ほどの簡単な建物が想定されていますので、そのイメージも参考にしながら勝手に創作します。
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今回私の模型では、曲輪が切れてしまうのを避けるため、遊撃丸をかなり小さくまとめました。その中に入母屋の建物と切妻の建物を一棟ずつ建てたいのですが
適当な大きさの入母屋屋根のパーツがない!スクラッチも考えた時にひらめいたのが、作らずに押入れの奥に眠っていた、プラムの諏訪高島城のキット。探していたサイズに見事ピッタリでした。
切妻のパーツもあるし使えます!

まず切妻屋根から作ります。

華頭窓がステンドグラスの窓みたいな形なので、壁面は使いません。破風板と懸魚だけ使います。パーツからスライスします。
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屋根に取り付けます。
屋根の鬼瓦がオーバースケールすぎますので、小さくした上に、獅子口に変更します。プラ棒で経の巻を三本取り付けました。
また、ヤスリがけをして蓑甲をつくりました。
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くっつけて屋根の概形完成。
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続いて入母屋の方。
こちらは破風には手を入れずそのまま組み立てました。壁面の下見板を切り離します。
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白壁部分がちょうど建物の高さにぴったりです。

この部分を芯にして、長押と柱を取り付け。
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プラ板を貼り込んで舞良戸を表現。残り半分は明り障子です。この時代のオーソドックスな建て具の使い方ですね。
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軒の出がオーバースケールなので、広縁と落縁を四方に巡らせることにします。落縁を支える束と礎石は、鉄道模型の柵のパーツを加工しました。
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まだ塗装も途中ですが、とりあえず今日はここまで。有り物のパーツを適当に組み合わせているので、広縁の柱間と落ち縁の束の間隔が合わず気持ち悪いです。
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