こうやって作ってみると、いかに金閣が北山を借景として利用しているかがわかります。背景の山並みが、金閣を引き立たせているのですね。
京都は雪が積もることは珍しいと言われますが、最近私は大雪の日に京都に居合わせることが多く、その度に雪の金閣を見に行きたいと思いながら行けずじまい。いつかこの目で見てみたいです。
実際には紺色。
できるだけ幅広く表現の位相を持てたらと思うのですが、なかなかうまくいきません。
どうしても得意なテクニックと不得意なテクニックがあります。その上、だんだん作る手順が固まってくるので、全部同じように下処理をし、全部同じ手順で塗装をし、樹木をつくり…となってしまいます。自分の中で屋根瓦の色はこれ、汚し方はこう、と決まってしまうのです。
そうするともう、ただ単に作るキットが変わっているだけで、見た目は全部同じ…
これからも少しでも上達できるよう努力して、広く表現の幅を持って、同じキットでもいろんな作り方ができるようになりたいです。
水の表現は本当に難しくて、水のジオラマ作家さんといえばこの方。山本日出男さん。もうモンサンミッシェルやポルトフィーノとか滝だとか目が点になるどころの騒ぎではない。こういう有無を言わせぬ作品を見てしまうと、あまりに超絶すぎて参考にすらならなくてやる気がなくなるのです(笑)。
閑話休題。
再建金閣は、その金ぴかの姿が強烈すぎて、自分でも好きになったり嫌いになったり落差がはげしい建物です。そもそも金箔貼りだったのは最上階だけだったという説もあります。
いつかはこの焼失前の古写真を立体化したいな、と思ってみたり。(出典 http://www.kyobunka.or.jp/phot/photo.html)
金閣に火を放った学僧は、三島由紀夫が小説化したように美への嫉妬だけではなく、観光化していく寺への失望が動機の1つであったともいわれます。
火災で失われた金閣が再建によって金ピカになり、観光のメッカになったというのは皮肉ですね。