秋の銀閣③唐門の製作 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

秋の銀閣の景色を作っております。

境内を縮小すると、どうしても模型に入ってくる建物が、唐門。

キットの切り貼りでは作れませんので、プラ板とプラ棒で自作します。

まず原寸図を引きます。1/150ですので、一間が約12mmです。銀閣のキットもちゃんと一間が12mmでした。って当たり前か。
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画像検索だけでこの程度の精度だったら図面を起こすことができました。驚き。ただ、唐門自体を撮った写真はあまりなく、銀沙灘の脇にちょろっと写っていたりします。

鉤形の平面ですが、門というだけあって中に腰掛けがあったり、開放的なつくりです。模型上では途中で断面になり、内部も見えてしまうので、中身も作らねばなりません。
内部の写真が無い!
と探しまくって、やっと一枚、貴重な写真を発見。

出典は書いておりますが、無断転載です。問題があれば削除します。

花頭窓をくり抜き。
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くり抜きは大嫌いです。
あとはいろいろあって壁面完成。
ただ、断面になる部分との兼ね合いから、柱間を少し縮小したり、アレンジを加えています。こちらの現場に合わせた再現。
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棟木までは一応本物と同じ構造で立ち上げました。

問題は「唐門」たけに唐破風。曲線の切り出しは大嫌いです。ここだけは他のキットから流用します。

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むーん。
結局、フジミの大姫路城のものを持ってくることにしました。
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そしてとりあえずだいぶ形になりました。
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実物より軒の出が若干深くなりました。ほんの1~2ミリの誤差ですがスクラッチの難しさを痛感しています。
これから屋根の磨きと軒裏、あとは棟瓦と扉、扁額をつけて完成です。

ちなみに銀閣は柿(こけら)葺ですが、この唐門は檜皮(ひわだ)葺です。柿は薄い木の板で、檜皮は文字通り檜の皮です。表現をどう変えようか悩みます。