大阪城【〜完成】 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

豊臣大坂城の合間に作っております大阪城の情景模型です。

前回の続き。石垣の塗装と緑地の表現です。
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スミ入れ、ドライブラシ、ウォッシング、石の個別塗り分け、またスミ入れ、ドライブラシ…と10回くらい重ね塗りします。写真はまだ途中の段階です。

そして植栽、水面処理をしてベースの完成。
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大阪城といえば高石垣に蔦!季節や管理の状況で毎年違うと思いますが、下の写真のように、場所によっては潅木が生えることもあるようです。
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検索してみると、秋には石垣の蔦が紅葉して石垣が錦のようになっていたりします。
画像検索は便利なもので、航空写真まで見ることができますので、情景模型づくりには大変役に立ちます。

天守の塗装。
窓はイラストレーターで0.5mm間隔の格子のパターンを作り、印刷して裏から貼り付けました。
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破風や最上階の金具の塗り分け、虎の押板や蒔絵の鶴の描き込みが難しかったです。見えにくいですが、棟にも金の紋瓦を描き込んでいます。
緑青が吹いた屋根の色は、実際はもっと鮮やかなエメラルドグリーンですが、少し抑えめにして落ち着いた雰囲気にしました。

極楽橋の製作。
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高欄は余っていた広島城の最上階手すりのパーツを加工して使用。擬宝珠は省略しました。長さが少し足りないので延長。
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そして完成。
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完成と同時に届きました。櫻井成廣氏の『豊臣秀吉の居城◆大阪城編』!予想通り千畳敷の考察がきちんと載っています。
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櫻井氏は大坂城研究の大家で、本丸図が発見される前から、『城塞譯史』の図面に注目され、自身で模型を作りながら研究を進められました。この本には中井家「本丸図」の発見によって分かった新たな数値をもとに豊臣大坂城の姿を復元していく細かな過程が全て書かれており、宮上氏の研究が櫻井氏の研究の上に成り立っていることがよく分かります。
豊臣大坂城に戻ります。