豊臣大坂城本丸全景【石垣】 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

熊本城を放置していますが、細かい作業に慣れてしまいましたので、勢いで念願の作品に取り掛かっています。
豊臣大坂城本丸全景。
以前学研から出版されていた『[歴史群像]名城シリーズ1 大坂城』に、故・宮上茂隆氏の復元による、本丸の図面が掲載されています。
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B5サイズの図面ですので、拡大してB4サイズで作ります。縮尺にして約1390分の1になります。

ちょうどタミヤのスチレンボードがB4サイズですので、図面を当てて、直接カットしていきます。
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等高線で切っていく要領です。
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重ねます。
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石垣の下のラインで切りましたので、石垣部分を斜めにカット。
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次に0.2mm厚のプラ版に、直接図面をプリントし、切り取って全ての地表面に貼り込みます。
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天守は今は絶版になった、童友社の「城郭コレクション」の大阪城に手を加えて使用します。ちなみに、模型の見栄えの関係から、天守周りだけ10%ほど大きくしています。

今回悩んだのが石垣です。この縮尺だと、手彫りではまず無理、というか、彫刻ではスケール感を損ねてしまいます。1.4mmが約190cmなのですから…。
いろいろ考えて見つけました。
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通常ですと、地面に使うのですが、表面の感じがまさに石垣の遠景に見えます。
石垣の表面にプラ板を貼り込んだ後、シーナリーペーパーを貼っていきます。
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水面は「波板くん」を使用。面白いことに、オーバースケールには感じられず、馴染みました。

地面下塗り。
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石垣の天端や角、地面との境目の処理。パテやクレイ粘土総動員です。石垣にスミ入れもします。そうすることで、気になる継ぎ目などがはっきり浮かび上がってきます。
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地面の上塗りと緑地の表現。白い部分は後で白州になるところです。
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次回は少しずつ建物に入って行きます。