名古屋城本丸全景【雑記】 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

下の写真は、まさに空襲を受ける名古屋を撮影したものです。1945年、5月14日の朝でした。

左下に、名古屋城が写っています。



炎上前の、最後の姿です。大小の天守、本丸御殿、櫓まで見えます。

戦災で失われた五層天守は、この名古屋城をはじめ、広島城、岡山城、福山城がありますが、徳川の城としての威容を誇った名古屋城は、当時日本でも最大の規模でした。あと3ヶ月早く戦争が終わっていれば・・・。当初の空襲計画から名古屋城は外れており、誤爆だったという説もあり、本当に悔やまれます。人の命も文化財も、二度とは戻ってきません。


名古屋城炎上の記録はこちらのサイトに詳しくまとめてあり、上の写真も拝借いたしました。


建物は失われましたが、幸いにも詳細な実測図が残されています。「昭和実測図」と呼ばれる、309枚にのぼる図面と拓本で、戦後、天守の再建、および現在の本丸御殿復元においても貴重な資料となりました。

今回の模型製作でも、図書を通じて参考にいたしましたが、その「昭和実測図」がウェブ上で公開されていることをあとで知りました。


昭和実測図 閲覧サービス


その正確さもさることながら、全て手書きだそうで、美しさも一見の価値ありです。


初見の図面ばかりで、下の御殿の屋根伏図など貴重です。

図面と今回製作の模型との比較。





御殿本体から飛び出した付属建物はかなり省略や簡略しています。

風呂屋形が実際より長いですね。

図面が公開されていることを後で知りましたので、先に知っていればもう少し精度が上げられたかもしれません。


ここからはちょっと遊んで・・・写真を加工して、古写真風にしてみました。

古写真と今回の模型、近いアングルからの比較です。