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前田浩明のラボ (別室)

オリジン生化学研究所 所長
ただいまコーヒーブレイク中

体をまもる粘りで生命力維持を高める

 

このように、今回ご紹介したネバネバ成分の共通する存在意義は

それらの生体を保護する働きです。

 

私は食物の働きを含有成分との関係で考えるとともに、

生命力と関係づけて考えるようにしています。

 

ネバネバ成分を食べる最大のメリットは

その生体を保護する力、

つまり生命力を高めることだと思います。

 

菌や植物や海藻の生命を守るネバネバ成分を食べることによって

私たちの生命力が高まるというように考えてみたらいかがでしょうか。

 

そうするとネバネバ食品で元気になるという評価は、

さほど間違っていないと思います。

 

 

オリジン生化学研究所

農学博士 前田浩明

 

 

 

食物別に見るネバリが存在する理由

 

以上、代表的なネバネバ食品について

特徴と作用を解説しました。

 

同じようにネバネバしていても、

食品によってそのネバネバのもとは

栄養素的分類が異なっています。

 

そして、報告されている機能性を見る限り、

すべてのネバネバ成分は消化されにくいために

胃腸を通り過ぎて身体を保護し、

恒常性を維持する作用は明らかです。

 

身体にとって良い食品成分であることは間違いないと思いますが

「元気になる」働きは特に強くないと思います。

 

次にそれぞれの食物について

ネバネバ成分が存在している理由を考えてみたいと思います。

 

私が納豆菌の研究をした際の観察では、

納豆のネバネバは納豆菌が充分に増殖して

環境が悪くなり始めた時点で増え始めます。

 

納豆菌は自分自身を悪い環境から守るためにネバネバを出していることが窺われました。

 

オクラをカットして水に浸しておきますと

大量のネバネバが出てきます。

 

実の中にはたくさんの種があります。

オクラのネバネバには種を守り発芽時に菌の感染を防いでいると思います。

 

ヤマイモをカットすると、

ネバネバがにじみ出てきてカット面を覆います。

 

イモ類はその一部をカットして、

タネイモとして植え付けます。

 

カット面には、抗菌物質が作られてカット面の腐敗を防ぎますが

ネバネバ成分は、その補助をするものと考えられるでしょう。

 

また、海藻類のネバネバは細胞間をつなぐ役割をしています。

陸上の植物にはこのような構造はあまり見られません。

これは塩分濃度の高い海中で生存するための仕組みだと思います。

 

海藻のネバネバもまた、生活環境から身を守るために存在している成分です。

 

 

次回最終回です。

 

 

オリジン生化学研究所

前田浩明

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ⅲ長いも

 

「長いも」も、代表的なネバネバ食品の一つで

夏バテ対策にとろろそばや麦とろなどで好んで食べられています。

長いものネバネバはムチンそのものです。

 

Ⅳコンブ等の海藻

 

 

私たち日本人は海藻を好んで摂取します。

主要海藻はコンブ、ワカメ、ヒジキ、テングサ、アマノリ、モズクです。

いずれの海藻もその強弱はありますがネバネバの要素を持っています。

海藻によって成分に違いはありますが、

いずれの粘りもアルギン酸、カラギーナン、主に海藻類に含まれるフコダインなどです。

 

アルギン酸の働きとして、

血中コレステロール低下作用、有害物質の排出を助ける作用、

血圧低下作用、整腸作用が報告されています。

 

カラギーナンは消化管の保護作用、

フコダインは血液サラサラ作用、抗腫瘍活性等が報告されています。

 

海藻のネバネバ成分もまた、

食べることにより消化管の粘膜を保護したり

生活習慣病の予防に役立つことが期待できます。

 

続く。

 

オリジン生化学研究所

前田 浩明