「雁」が北地より渡ってくる「鴻雁来」の頃です。
周知の通り、「雁」は鴨などと同じように、秋口に北のほうから飛
来し、春には戻っていく渡り鳥。
ちなみに、 万葉集をみてみると、 全4516首のうち、13%にあたる
589件に、鳥に関連する名詞がおりこまれているとか。
鳥類の種類は、鶯、鴨、雁、鶴、ホトトギスなど、30種類以上。
このうち、雁が詠まれているものは66首(秋:58、春:4、不明:4)と
のこと。
ほとんどが、自然の景物として、詠まれていますが、5首が相聞
に。
出でて去なば天飛ぶ雁の泣きぬべみ今日今日と言ふに
年そ経にける
(大空を鳴き渡る雁のように妻が泣くに違いないので、旅に出る
こともできず年を経てしまった)
雁がねの初声聞きて咲き出たるやどの秋萩見に来我が背子
(雁の初音を聞いて咲きだしたわが家の秋萩を見にきてください)
上代より、 恋の言葉や言霊を運ぶ「鳥の使い」という考えがあっ
たとのことですが、万葉集あたりから、その鳥は「雁」に収斂され
ていったと、言われています。
現在では、多くの詩歌で、「雁の使い」は「雁書」「雁信」とともに
手紙をさす言葉になっています。
[今日の一句]
・境内のラジオ体操鳥渡る
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