俳句エッセイ くゆらせる妖しい香気 | 俳句のとりな

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朝夕と肌に寒気を感じ始める頃、 「寒露」ですが、本日は、さら

に朝から冷たい雨。


そんな雨の中、 かつて、花が咲かなかった時期もあったと言わ

れる「木犀」が、満開に。

 

木犀は、 中国原産のモクセイ科の常緑小高木で、江戸時代に

渡来したとか。


雌雄異株ですが、 日本には雄株だけが伝わり、古くから、日本

各地の庭園などに植えられてきたとのこと。

 

木犀の花に実ならぬ夜寒かな 為有

 

漢名の木犀は、 幹の表面が淡灰褐色で、犀の皮に似ていると

ころから、この名があると言われています。


橙色の花をつける金木犀と、 白い銀木犀とがあるのは、よく知

られていますが、薄黄色の薄黄木犀もある由。

 

明治後期の詩人、薄田泣菫は、木犀の小粒の花を、次のように。

 

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木犀の花はぢぢむさく、 古めかしい、金紙銀紙の細かくきざんだ

のを枝に塗りつけたやうな、何の見所もない花で、言はばその高

い香気をくゆらせるための、質素な香炉に過ぎないのだ。
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木犀の本意は、やはり、低温時や湿度の高い時に、はげしく匂う、

その香り。


明るい昼間というよりは、月のない夜の、細い裏通や静かな寺社

の境内が似合うという人も。

 

ほのかなる心の闇に咲きしのみわが木犀もことばの花も
馬場あき子

 

[今日の一句]

 

・背なの子に木犀の香の従ひぬ

 

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