四連休も最後ですが、いつもこの時季に盛りを迎える彼岸花が、
今年は少しばかり遅いようです。
「彼岸花」は、ヒガンバナ科の多年草で、全草が毒草で知られて
います。
古く中国から渡来したと言われていますが、九州には、白い花を
咲かせる、白花曼珠沙華が自生しているとか。
別名の「曼珠沙華」は、 赤い花をあらわす梵語とのことですが、
幽霊花、 死人花、 捨子花、火事花、歯抜け婆など、人に忌み嫌
われる俗名が多いことでも知られています。
しかしながら、 開いた花の形やつくりは、 美しく、国外では鑑賞
用として珍重されているところもあると言われています。
万葉集には、「いちし」の名で一首が。
路の辺の壱師の花のいちしろく人皆知りぬわが恋妻を
柿本人麻呂
(道端に咲く壱師の花がいちじるしく人目につくように人々は皆知
ってしまった。私の恋妻を)
和歌の世界では、 この花は禁忌の歌言葉であったらしいと推測
する人も。
と言うのは、「彼岸花」「曼珠沙華」の名は、万葉から近世までの
歌45万首を収めた『新編国歌大観』には、1首も出てこないとのこ
と。
「曼珠沙華」の語が、本格的に詠われるのは近代に入ってからで、
近代俳句では、その作例は急増するとか。
曼珠沙華抱くほどとれど母恋し 中村汀女
つきぬけて天井の紺曼珠沙華 山口誓子
[今日の一句]
・城跡の石垣高し曼珠沙華
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