俳句エッセイ   人の世のはかなさを代弁 | 俳句のとりな

俳句のとりな

俳句を愛するかたとともに

 

 

「露」は、 周知の通り、 空気中の水蒸気が冷えて、地物の表面

に水滴となって結んだもの。


晴れた風の無い夜に多く、 足元を濡らす「朝露」は、さわやかな

秋の一日を知らせてくれます。

 

また、 萩などにゆらめく白露には、可憐で美しいものがあります

が、風が吹けば、こぼれ、日が昇れば、やがて消えゆく儚さも。

 

万葉集には、次のように。

 

 夕月夜心もしのに白露の置くこの庭に蟋蟀鳴くも
 (月の出ている夕暮れに、心もうちしおれるように、白露の降り

 ているこの庭で、 こおろぎが鳴くことだ)

 

「命」や「涙」「人生のはかなさ」などの連想を断ち切って、露その

のを詠んだ点で新しいと言われているのが、次の歌。

 

 白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける
 文屋朝康(百人一首)


「露」そのものは、秋の季語ですが、一日のうちで、「暁露」「朝露」

「夕露」「夜露」と様々な姿を見せるとともに、時季についても、「露

涼し」(夏)から、「露寒」や「露時雨」「露霜」(晩秋)などと広範囲。

 

さらには、「露けし」「露の世」など多くの傍題がありますので、多彩

な詠み方が出来そうです。

 

俳句で「露」と言えば、次の2句。

 

 芋の露連山影を正しうす 飯田蛇笏

 

 金剛の露ひとつぶや石の上 川端茅舎

 

これらの俳句は、格調の高さからも古典作品に劣るものではないと

言う人も。

 

[今日の一句]

 

・もの乞ひの列えんえんと露の朝

 


[これから俳句を始めたいかたへ]


◎俳句生活で学んだことを、初心者向けに、131回に亘って、綴
っています。


「はじめまして」(第1回)
https://ameblo.jp/originalk/entry-12515820857.html


◎初心のかたや、これから俳句を始めたいかたからのお便り
を歓迎します。ブロフィールの「メッセージ」欄から、お寄せく
ださい。