俳句エッセイ      何れ菖蒲か杜若(2) | 俳句のとりな

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菖蒲華(あやめはなさく)の頃とか。

 

この「菖蒲」、「あやめ」とも「しょうぶ」とも読むことが出来、混乱

しますが、 花の咲く時期からして、「ハナショウブ」ではないかと

考えられているとか。

 

アヤメ・ハナショウブ・カキツバタは、非常に姿かたちが似ていて

見分けがつきにくいですが、 まず5月上旬にアヤメが咲き始め、

続いて5月中旬にカキツバタ、5月中旬から6月下旬になってハナ

ショウブが咲き出すとのこと。

 

花菖蒲は、野生のアヤメ科のノハナショウブを親として作られた

日本特産の園芸植物。


俗に「しょうぶ」と言われていますが、 サトイモ科の「菖蒲」とは、

別種。

 

ノハナショウブの花の色は、概ね赤紫の一色とのことですが、栽

培改良された結果、千変万化の花菖蒲が。

 

紫、濃紫、白、絞りなどが産み出され、 現在、江戸、肥後、伊勢

の3系統があり、一千種以上の品種があると言われています。

 

 はなびらの垂れて静や花菖蒲 高浜虚子 

 花菖蒲夜は翼のやはらかし 有馬朗人

 

[今日の一句]

 

・合はせみる小き足形花しやうぶ

 

[合同作品集『金蘭』より自解]

平成三十年

 

俳句を始めて十年目に。

 

・シーソーの背中合はせや卒業子

 

卒業式を終えた生徒らが帰り道にある公園で、名残を惜しむか

のようにシーソーを。今後、それぞれの歩む途は違うのかもしれ

ません。
平成30年度NHK全国俳句大会佳作。坊城俊樹選。

 

・つぎつぎと園児顔出す初燕

 

園舎のそばを通りかかると、にぎやかな声が。窓から園児らが顔

のぞかせて、しきりと上を見上げています。
俳句倶楽部入選。

 

・春暁やそばだつものの天をさし

 

春の夜明け、すべてのものが天をめざして、輝き始めています。
平成30年度NHK全国俳句大会入選。

 

[これから俳句を始めたいかたへ]

俳句生活で学んだことを、初心者向けに、131回に亘って、綴っ

ています。

 

「はじめまして」
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