俳句エッセイ     梅雨の最中に | 俳句のとりな

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俳句を愛するかたとともに

 

梅雨の最中、地域によっては、集中的に雨が。


映像などを見ていると、 河川の流れは、刻一刻と早くなり、渦を

巻いて、橋脚に激しくぶつかってゆきます。

 

思い出されるのが、よく知られている芭蕉の句。

 

 五月雨をあつめて早し最上川

 

奥の細道を行脚し、 さしかかった最上川(大石田)の舟上で詠ん

だ句とか。

 

この句には、推敲が施されていて、原句は、次のようなもの。

 

 五月雨をあつめて涼し最上川

 

大石田を訪れたときの挨拶句として、「涼し」と措きましたが、川

下りの激しさを体験して、改作。


「早し」とすることで、一層の臨場感がうまれたと言われています。

 

芭蕉には同じ『奥の細道』に、次の句が。

 

 五月雨の降り残してや光堂

 

周知の通り、「五月雨」(さみだれ)は、陰暦5月(陽暦6月)ごろに降

る長雨のこと。


「梅雨」が、雨そのものと気候の両方をさす場合があるのに対し

て、「五月雨」は雨そのものをさしています。

 

一説に「さ」は田の神、「みだれ」は水垂れと言われ、「さみだれ」

は作物を育てる神の恵みとも。

 

 

 

1坪菜園に植えたトマトと胡瓜が、 このところの雨で、大きく背を

伸ばしています。


根元近くで大きくなった実を収穫、味噌をつけていただきました。

 

[今日の一句]

 

・五月雨の忘れおかるる如雨露かな

 

 

[合同作品集『金蘭』より自解]

平成二十九年

 

・裸木の血潮の在り処探りみる

 

葉を落としつくした冬木立、 枯れてしまったのではなかろうかと、

樹肌に耳を。
平成29年12月、句友特選。

 

・けんけんをせる児と媼息白し

 

疲れを知らずに、なかなか解放してくれない児につきあって、息を

ませている媼の景。
平成29年12月、句友特選。

 

・束子もて地蔵を洗ふ大晦日

 

あわただしい師走に、ようやく地蔵にも晴れ着を着せてもらうときが。

こころなしか地蔵が笑みを。
平成29年度NHK全国俳句大会入選。

 

 

 

[これから俳句を始めたいかたへ]

俳句生活で学んだことを、初心者向けに、131回に亘って、綴ってい

ます。

 

「はじめまして」
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