俳句エッセイ  郊外へでかけよう | 俳句のとりな

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俳句を愛するかたとともに

 

・校庭のブラスバンドや雁渡る

 

雁が北地より飛来(鴻雁来)するころに。

 

「雁」は真雁や沼太郎の異名もある「菱喰」などの総称。
晩秋に飛来し、越冬、秋の季感を担う水鳥として、句歌に多く詠

まれてきました。

 

万葉集には、次のように。

 

 今朝の朝明雁が音聞きつ春日山もみちにけらし我が心痛し 

 穂積皇子
 (今朝の明け方に雁の声を聞いた、春日山は紅葉したにちがい

  ない、わたしの心は痛むことだ)

 

飛びながら鳴き交わす声は、天から響くようで、それが「雁が音」

と言われる所以とか。

 

近世になると、次のような歌が。

 

 秋の夜のほがらほがらと天の原てる月影に雁なきわたる 

 賀茂真淵

 

「ほがらほがら」は、晴れ晴れと開けて明るいさま。

 

この「ほがらほがら」は、天皇の御製の言葉として、約900年間と

いうもの、歌に詠んではいけない言葉とされてきたと言われてい

ます。

 

それを近世になって初めて禁制にとらわれずに詠んだのが、上の

歌で賀茂真淵とのこと。

 

賀茂真淵(1697-1769)は、周知の通り、江戸中期の国学者、歌人

で、『万葉集考』など、多くの書物を著しています。

 

このところ、天候不順で、安定しませんが、本格的な「天高し」の時

季も近く、雁の渡るところを見に、郊外へと出かけてみたいものです。


[今日の一句]

 

・船頭の前垂れ紅し雁渡る

 

香取市の佐原地区、小野川周辺で、詠んだもの。
川沿いには、商家などの歴史的建造物が多く残されており、散策に

はうってつけです。


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言いたいことを抑え、末尾に「かな」を
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