英国王のスピーチがアカデミー脚本賞を受賞したという
ニュース速報を聞き映画館へ行く

 

今朝見たニュース映像の中でトム・フーパー監督
「これは二人の男のフレンドシップ・ストーリーだ」と話していた

 

僕は友情物語というよりも
マイ・フェア・レディイライザヒギンズ教授
奇跡の人のヘレン・ケラーとサリバン先生
プリティウーマンのヴィヴィアンとエドワードと同じジャンル
成長を目指す生徒と導く先生の関係に思えた

 

ロンドン下町の花売り娘と英国王を同列に扱うのは
失礼かもしれないが
スラングだらけの言葉使いの娘を
レディーに仕立てて社交界デビューさせることと
吃音者に普通にスピーチさせることは
周りの枠を削ぎ落とすとシンプルな同じ関係だ

 

他の3本との違いは男性が男性を導くこと
(奇跡の人は女性、女性 他の2本は男性、女性)
なんとなく男性二人のレッスン場面は
禁断の関係を想像させてしまう感じがします

 

主人公の兄エドワード8世とシンプソン夫人との
「王冠をかけた恋」や英国万国博覧会、
大陸におけるヒットラーの台頭など
歴史上のパズルピースが
あっココにくるのかとピタッとはまる感じが心地よいです

 

映画におけるシンプソン夫人は
ぜんぜん好感が持たれないような感じの人物像で
中古車販売会社の社長やドイツのリッペントロップ大使とも
付き合いがあるとのレポートまで劇中に出てくる

 

イギリス人のシンプソン夫人嫌いは相当根が深いようだ
ウィキペディアに写真が載っているが
それほど陰険そうには見えない
ただし王室との確執は死ぬまであったようだ

 

このジャンルのストーリーはアカデミー賞を取り易いのか
今回も作品賞、脚本賞、監督賞、主演男優賞
とメジャーな賞を取ったが
マイ・フェア・レディではレックス・ハリソンが主演男優賞
奇跡の人ではアン・バンクロフトが主演女優賞
パティ・デュークが助演女優賞を受賞している

 

プリティーウーマンのジュリア・ロバーツは
ノミネートされたが残念ながら逃している

 

2011/3/1(火) 午後 1:32

 

 

ヒアアフターを観にいく
今や巨匠と呼ばれるクリント・イーストウッド監督の最新作

 

マット・デイモン扮する手を触れると
その人の霊的背景が見えてしまう
サンフランシスコ在住の青年

 

津波に巻き込まれ臨死体験した
フランス人女性TVキャスター

 

母親がドラッグ中毒から更生中で
双子の兄に突然の不幸が訪れる少年

 

映画はこの3人のエピソードがパラレルに進む
臨死体験をした女性が
自身の体験をもとに本を執筆する
その本のタイトルが「ヒアアフター」
映画の中ではそれが「来世」と訳されていた

 

青年はかつては霊能者として
脚光を浴びていたが
今は兄と一緒に
工場労働者をしている

 

再び霊能者として一緒に
稼ごうと兄が誘うが
彼は断り続ける
兄は
「天からの授かりもの(ギフト)だから
 才能を使うべきだ」
と言われるが彼はキッパリ
「ギフトではなくカース(呪い)だ」

 

親しくなった女性からも
見て欲しいと頼まれ気まずくなる
劇中なぜ彼が霊能者としての生活を捨てたか
明らかにされない
でも
悩みをかかえて相談に来る人全員の
重たい人生を一時的にしろ
抱えなければならないのは相当なストレスだ
辞めたくなるのも仕方ないかもしれない

 

うるさい兄から逃れるために
サンフランシスコを離れたときから
物語が一気に動き出す

 

冒頭の津波のシーンから
あっという間の129分

 

自分にとってかけがえのない人と
一緒に観てください

 

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S'il vous plait

 

2011/2/27(日) 午前 11:44

亡くなった知人は独り者だった
賃貸店舗の再リース等の仕事を
一緒に仲介した間柄だった

 

仕事が一段落し
生まれ故郷に帰り
友人に囲まれて楽しく
過ごしていたようだ

 

病気で倒れた親しい友人の家に
励ますために出入りしているうちに
その方の奥さんや娘さんに色々と
世話になっていたらしい

 

その娘さんは
眼元涼しげな爽やかな感じの女性だった
会った瞬間に周りとのアンバランスを感じた
頂いた名刺を見て納得した
アメリカでテラピー修行を積んできたらしい
(それで空気が変わるかなぁ)

 

通夜の後半のお経が終わり
皆が腰を上げだしたとき
僕の目前の方の
座布団と体の間で
「ぶっー」っと
中低音が響いた

 

場が場だけに
変な反応をするとマズイと思い
周りを見回したが
誰一人反応していない

 

周りほとんどはシニアエイジなので
聞こえないか
中低音域を聞き取る三半規管の
一部が欠落しているのかもしれない
誰も振り向きもしない

 

4,5人向こうに並んで座っていた
眼元涼しげな女性だけが
前かがみになり必死に笑いをこらえていた

 

棺に一緒に火葬してもらいたいものを
入れるとき
眼元涼しげな女性は隣の人に
「これ私がプレゼントしたものなの」
と話しながら
暖かそうなニット帽を
両手でそぉーと入れていた


 

知人はみんなに愛されていたようだ

 

僕は暖かい気持ちに包まれて家路についた

 

2011/2/27(日) 午前 2:11