不切正方形一枚折りの「比翼の鳥【hiyokunotori】」 | oridurukakurennbouのブログ

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「つなぎ折鶴(連鶴)」や、切り込みを入れた用紙の一部で鶴を折る「裁ち折り鶴」など、鶴をモチーフにした作品を主にしています。
ユニットやたまにコンプレックス系作品を折ることもあります。

比翼の鳥【hiyokunotori】

Lovebirds
an imaginary pair of male and female birds each with one eye and one wing and always flying together.



折り紙では「キモ鶴」と称されるジャンルがありますが、この「比翼の鳥」は雌雄一体となって飛ぶ 中国の想像上の鳥です。

中国唐代の玄宗皇帝と楊貴妃のエピソードを綴った 白居易の『長恨歌』の最後に、「在天願作比翼鳥 在地願為連理枝」の一節があり、また、これを踏まえて、『源氏物語』でも帝の桐壺更衣への契りの言葉として「羽を並べ、枝を交はさむ」と言わせる、そういったロマンチックな香りをまとう伝説の鳥です。


また、井原西鶴の『好色一代男』では、主人公の世之介が「比翼の鳥のかたち」をした「をり据え」をつくる場面がありますが、私はそれを『秘伝千羽鶴折形』の「妹背山」だろうと想像しています。

「妹背山」を想像の「比翼の鳥」とするには、(個人的な意見ですが)中央の羽が余分で、いつか不切正方形一枚折りで折りたいと考えていました。

2首2尾の鶴の形にするだけなら、前川淳氏の「三ツ首の鶴」(『本格折り紙』に掲載)を少し折り変えればできますが、それでは首と尾の厚みが左右で異なってしまいます。

ネットでもS太郎氏の「三つ首の鶴」の展開図を見つけましたが、展開図折りのできない私には逆にそのことが幸いし、背中をまとめるのに苦心しましたが、2019年6月に左右が同じになるように畳むことができました。

 

1年経ってからですが、折り手順の動画をUPしました。

 

 

背中の厚みを羽の方に逃がす工夫をしていますが、もっと効率的な折り手順があろうかと思います。

我流、独学でやっておりますので、ご教授いただければ幸いです。