Diels-Alder反応の基礎 5 | 有機化学勉強会

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エンド則 その1
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シクロペンタジエンは、比較的Diels-Alder反応を起こしやすいジエンである。
それは、ジエンがs-cis配座に固定されているからである。また、五員環構造であることから、ジエンの1位と4位の距離が通常のジエンよりも短い。そのため、シクロヘキサジエンなどと比べても反応性が高い。
さて、シクロペンタジエンをアクロレイン(H2C=CHCHO)のようなアルケンとDiels-Alder反応させると、2種類のジアステレオマー(相対的な立体配置が異なる立体異性体)が生じる。
その2種のうち、架橋メチレン部と、アルケンが持っていた置換基(この場合はCHO)とが、シクロヘキセン環に対して同じ側に来るものをエキソ体(exo)と呼ぶ(図のAの化合物)。また、架橋メチレン部と置換基とが、シクロヘキセン環に対して逆側に来るものをエンド体(endo)と呼ぶ(Bの化合物)。
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生成物を斜め横から見たように書いた構造式が上の図である。
エキソとエンドの関係がよくわかると思う。

 

Diels-Alder反応では、多くの場合でエキソ体よりもエンド体の方が優先して生成する。
このことをエンド則と呼ぶ。

 

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endo rule