Diels-Alder反応の基礎 6 | 有機化学勉強会

有機化学勉強会

PC版のブログ内検索機能でトピックを探してください。

エンド則 その2
下に示したDiels-Alder反応では、エンド体が優先して生成する。
イメージ 1

エンド体が優先して生成する理由は、二次軌道相互作用にある、と考えられている。
二次軌道相互作用とは、結合生成はしないが、遷移状態の安定化には寄与する、軌道間の相互作用のことである。
下図のように、エンド体を与える遷移状態では、ジエンの2番目の炭素のπ軌道と、アルデヒドのカルボニル炭素の位置のπ軌道との間に二次軌道相互作用がある。その二次軌道相互作用のため、遷移状態が若干安定化され、反応が速くなる。
一方、エキソ体を与える遷移状態では、二次軌道相互作用するには、原子間の距離が遠すぎる。そのため、二次軌道相互作用できず、その分の遷移状態の安定化もなく、したがって反応が(エンド体を与える反応に比べて)遅くなる。
イメージ 2

 

次へ

endo rule
secondary orbital interaction