スーパー工務店に値引きはありうるのか? | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

エックス(X)に寄せられた質問です。


「俗に言われるスーパー工務店は、
一般的に明朗会計な印象があります。
価格競争に出る必要はないと私も思いますが、
契約時の値引きはあり得るのでしょうか?」

 


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住宅の値引きに関する質問です。
一般的に、私たちのような工務店では、
見積もりを作成する際に積算作業を行います。


これは、住宅の工事を各部門ごとに分け、
必要な材料や作業の量を計算する作業です。


例えば、基礎工事においては、
立ち上がり部分の長さやスラブの面積、
コンクリートを運ぶポンプ車の回数、
残土処分の方法などを計算します。
そして、これらの量に単価を
掛けて金額を導き出し、
設計料や現場管理費などを
一定の割合で加えて見積もりを提示します。


値引きを要求される方は、
一般的には想定していた予算を
超過した部分を調整して欲しい場合と、
単純に値引きされることを
喜びたい場合のどちらかです。


前者の場合、私たちはまず
工事内容の見直しを提案します。
これにより、金額を下げる努力をします。
例えば、面積を小さくする、

仕様のグレードを下げるなどの方法があります。


私たちは累計で300件以上の実績があり、
合意した予算の上限内で
精度高く提案できることができます。
これが重要です。
お客様の希望を最初に詳細にプランニングし、
その結果として見積もりを出すスタイルでは、
初期の予算を大幅に超過することがよくあります。


仮契約で合意した予算から
最終的に予算を大幅に超えるケースは、
SNSなどでよく耳にするトラブルの一つです。
これは、工務店だけでなく、
特に大手ハウスメーカーで見られる傾向が強いです。
契約後から、工事中で生じた追加請求が
来ることは珍しくありません。


次に、値引きを駆け引きとして
期待する方についてです。
特にハウスメーカーでは、
当初から大きな利益率を見込んでいるため、
二重価格が存在することが一般的です。
このような大幅な値引きを
販売戦略の一つとしている会社もあります。


もし値引きそのものを期待するなら、
大手ハウスメーカーがオススメ。
満足いただける程度に値引きしてくれるでしょう。


地域性も影響することがあります。
例えば、大阪では「2段階の値切り」が
一般的と言われますが、
中東などで絨毯を買う際の交渉文化と同様に、
価格交渉が普通とされる地域もあります。
中国の消費者にもこの傾向が強いと言われています。


しかし、私たちはそのような
煩わしい交渉を通じて価格が
決まるのはフェアではなく、
非合理的だと考えています。
私たちのビジネスでは、
信頼関係をベースにした価格設定が重要です。


新潟では、創業以来値引きを要求する人には
ほとんど出会っていません。(歴代2名のみ)
問屋や流通業界では
「値引きをして初めて価値がある」
という価値観が支配的かもしれませんが、
多くのお客様には、私たちの見積もりが
建築的な原価に基づいた適正価格で
あることをご理解いただいているように思います。


このような価値観の違いは、
業界や地域によって異なりますが、
私たちの目指すのは、
透明性のある明朗会計と、
お客様との信頼関係に基づく価格設定です。
価格交渉による値引きを
主要な販売戦略とするのではなく、
質の高いサービスと適正価格で
お客様に満足いただきたいと考えています。