オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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「オーガニックスタジオ新潟」社長のブログ。かっこいいエコハウスを提供するために日夜奮闘中。役立つ「家づくりの知識」は、オーガニックスタジオ新潟のHPにて更新。このブログでは個人的な関心ごとと「工務店経営」についてがテーマ

新潟で自然素材の家をつくる社長の 新潟で一番おもしろい建築ブログ


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零の町並み分譲

仙台の工務店。建築工房零さんは、
自らで宅地造成を行い、植栽のレイアウトや外観の統一性を行っています。
それにより、町並みが良くなり、価値観の同じ世帯が移り住むことで、
豊かなコミュニティーができることを意図しております。

 

 

その様子を動画作品で公開しましたら、
コメントで、分譲地の選び方や隣人との関係に対する感想をいただきました。

隣人がクレーマーだったり、ゴミ屋敷だったり、家の見た目が奇抜だったりすると、すべてが台無しになる」という不安が述べられ、さらに「美しい町並みに共感し、同じ価値観を持った人々が集まる場所なら、ストレスのない暮らしが実現できる。」   といった希望も語られています。

このような理想のコミュニティについて考えると、

最近の分譲地が抱える問題点が浮き彫りになります。



現代の新規分譲地が抱える問題点


現代の分譲地の多くは、コスト削減を優先するあまり、土地の区画割りが小さくされる傾向があります。これは、以下のような問題を引き起こすことが少なくありません。

区画の狭さ:
例えば、45坪の土地に標準的な住宅を建て、さらに駐車スペースを2台分確保すると、ほとんど庭や余裕のある空間が残りません。このような狭い区画では、住まいにゆとりがなく、住宅間の距離も近いため、隣家とのプライバシー問題や騒音トラブルが発生することがあります。

砂漠のような住宅街:
家庭に余裕がなく、手間がかかる管理を嫌う人が増えているため、植栽などの美しい景観を維持する意識が低下しています。その結果、緑が少ない、殺風景な住宅地が生まれがちです。

コミュニティの崩壊:
管理が行き届かず、コミュニティとしてのつながりも希薄な地域は、30年後にはスラム化する可能性すらあります。特に、住民同士の関係が希薄である場合、助け合いやコミュニケーションが取れないまま、管理が行き届かない地域になってしまうことがあります。

競争心とストレス:
同じ子育て世代が一斉に入居する分譲地では、親同士が横並びを気にし、余計な競争心を抱くことがあります。周囲の家と比べて、見栄を張ったり無理をしたりすることが、ストレスの原因となることも少なくありません。

このように、あまり望ましくない現象が非常に出現してきていると問題意識を持っております。

新築を考えた場合に、真っ先に新規分譲地を購入して、好きなように注文住宅を建てることを思いつく人は多いと思いますが、他にも住宅を手に入れる手段は多くあるので検討すると良いでしょう。



近年の傾向と代替策


このような問題を抱える分譲地に代わる選択肢も存在します。実際に、近年では以下のような代替策を取る人が増えてきています。実際にオガスタの場合は、圧倒的に新規分譲地でないケースが多いです。

住宅街にある単品売りの土地を選ぶ:
すでに形成された住宅街で、空き地が出た際に購入することで、すでに住環境が整った場所で新築を建てることができます。この方法は、新規分譲地にありがちな景観や管理の問題を避けることができます。

住民のそれぞれが木を植えている所や、特に熟成した公園の脇などは、緑化率が高くて、良い結果に繋がります。

郊外生活:
郊外に土地を求め、より自然に近い環境で暮らす選択肢も人気です。広い敷地を手に入れ、自然と調和した暮らしが実現できる点で、都市部の狭い分譲地とは対照的です。
特に首都圏などからの移住者は、環境を求めて土地の広い郊外を希望する方が多いです。

 

 


中古住宅の購入とリノベーション:
既存の住宅を購入し、リノベーションすることで、自分の好みに合った住まいを手に入れることができます。さらに、周囲の家もすでに整備されている場合が多く、予算の割には好立地を手に入れるケースも。

 

 


実家の建て替えや同居:
実家を建て替えて、二世帯住宅にすることで、新たに土地を購入する必要がなく、家族との距離感も程よく保つことができます。また、実家の周辺環境に慣れ親しんでいるため、新しいコミュニティに馴染む必要もありません。

ここ1年で特にこうした多世帯同居の計画が増えている印象です。背景には建築費用の高騰があり、親の財布と合わせることで住宅の質と量を確保したいという考えでしょう。



 

結論として:  新規分譲地の時代は終わったのか?

かつては、新規分譲地に土地を購入し、それぞれが自分の好きなように新築を建てるというスタイルが主流でした。しかし、現代では、このスタイルに対する見直しが必要となっているのかもしれません。狭い区画や管理の行き届かない住宅地が増える一方で、持続可能なコミュニティの形成が難しくなっている現状があります。

もちろん、新規分譲地にも良い点はありますが、それぞれが自分のライフスタイルに合った住まいを慎重に選ぶことが重要です。どの選択肢が自分にとって最適なのか、ライフスタイルや価値観に応じて検討することが求められています。


近頃は、ChatGPT連動型ボイスレコーダーを手に入れたのでレビューします。
PLAUD  27000円



名刺とのサイズの比較でほぼ同サイズ。
厚みも名刺の3枚ほど。
付属専用ケースでスマホに磁石でくっつけて持ち歩ける。

使い方:
会議やお客様との打ち合わせの際にレコーダーで音声を記録します。
それをスマホのアプリ経由で音声データを文字起こしします。
文字起こしされた文章はChatGPTで要約された議事録に生成されます。
この精度がかなり凄いことになっている。

文字起こしだけされた場合は、文字数が膨大で後で見る気がしない。
要約されることで活用できるようになる。

PDF形式で保存して、顧客情報管理のクラウドのデータベースに保存していく。
そんなやり方で、打ち合わせ内容を管理してます。

打ち合わせの際でスマホでの音声入力で文字起こしを行って、
それをパソコンで要約して、議事録にすることも当然できるのですが、
専用レコーダーで録音しているのがメリットで、スマホが自由に使える。

さらに操作もボタン1つ押すだけで簡単なので実用的です。



用途としては、設計部の打ち合わせや、定期的な会議の議事録作成に使えて、
生産性向上間違いありません。


製品購入で1月に300分の時間が無料でサービスを受けれますが、全然足りないので、
年間10,000円分課金して、月の利用可能時間を1200分に増やしております。

ただし、製品1台に、扱える端末が1台に紐づける方式です。
要約された議事録の生成は、1台のスマホでしかできません。
もっと使うのに慣れたら、各セクションに1台のレコーダーを導入してもいいかなと考えてます。

 

今回は、このPLAUDをご紹介しましたが、
調べると同様の機能をもった1万円程度の安価な機種もありますが、
デザイン・質感ではだいぶ違う。 ここはケチらず良いものを手に入れた感があります。 

「AIを業務に活かす」というと、あれこれ面倒なことを学ばなければならない印象がありますが、そういうのを全部ぶっこ抜いて、ボタン1つでAIを実装できるのがすごい。
時代の変化を感じますね。






 

ドラマ「0.5の男」に見る二世帯住宅のリアル


「0.5の男」は、二世帯同居をテーマにしたドラマで、家族の絆や葛藤を描いています。

古くなった実家を二世帯住宅に建て替えることになった立花家。しかし、引きこもりの兄・雅治(松田龍平)の居住スペースを巡って家族の意見が対立します。

 



引きこもりの兄は40歳になっても、ゲーム依存症の引きこもりで当然収入もない。

妹夫婦は共働きで、子育てで慌ただしい。

老いが目立つようになってきた両親だが、それぞれの趣味で忙しく過ごしてる。

引きこもりの 兄が1番家にいるわけで、彼の目線を通じてドラマは流れていく。





このドラマは、多世帯同居がもたらすさまざまな問題をリアルに描き出しており、これから二世帯住宅を検討している方には非常に参考になります。



立花家では、最終的に「2.5世帯住宅」という新しい形を採用することになります。

この「2.5世帯住宅」とは、従来の二世帯住宅に加えて、兄・雅治のような半独立状態の家族メンバーが一緒に住めるスペースを持つ住宅のことです。

このような新しい形態の住宅は、現代の家族構成の変化に対応するものとして注目されています。

 

旭化成ヘーベルハウスが提案する「2.5世帯住宅」


旭化成ヘーベルハウスでも、「2.5世帯住宅」を紹介しています。これにより、家族それぞれのライフスタイルやプライバシーを尊重しながらも、一つ屋根の下で安心して暮らすことができます。親世帯と子世帯、さらには独身の兄弟姉妹や親族が共に暮らすことで、家族の絆を深めるだけでなく、子育てや介護の負担を分担することも可能になります。 と紹介してます。



この分野に切り込んでいく着眼点がナイスだと思います。

モデルケースがお一人様の女性としていて、雰囲気からすると、しっかりと仕事してるようで、住居費の負担もされているからか、充実したスペースがあてがわれている。 ならば良いであろう。

しかし、「0.5の男」の松田龍平のようなケースだとそうはいかないだろうし、家族の力関係や関係性などは様々で、当然プランニングに影響与えてくるから、2.5世帯住宅の設計担当者は、家族の調整は大変だろうなぁと思います。

 

多世帯同居のメリットとデメリット


多世帯同居の最大のメリットは、家族の支え合いができることです。共働き世帯では、親世帯が子育てを手助けしてくれることで、安心して仕事に専念できます。また、高齢の親の介護も、家族全員で協力することで負担を軽減できます。

一方で、プライバシーの確保や生活リズムの違いから、ストレスを感じる場面も少なくありません。特に、独立した生活を望む若い世代にとって、家族との密接な関係が逆に負担になることもあります。

また、家族間の関係が良好でない場合、同居がストレスや対立を生む原因となることもあります。このため、住宅を建てる前に家族全員が十分に話し合い、それぞれの意見や希望を尊重することが重要です。

0.5の男は、世代感の軋轢が強く表現されていて、よほどプランニングで余裕があり、設計の工夫がされてない同居だと失敗するリスクが高そうに思いました。 
 

 

2.5世帯住宅に潜む将来的な問題


「2.5世帯住宅」は、現代の家族形態に対応した新しい住宅スタイルですが、将来的にはいくつかの問題が浮上する可能性もあります。例えば、子どもが成長して独立した後、広い住宅が無駄になる可能性や、高齢になった親世帯がさらに介護が必要になった場合、家族全員で対応できるのかという課題が考えられます。

 

8050問題


「05の男」は、実は、

若くして引きこもりになった子供が長期化し、40代50代になって、
70代80代の親にパラサイトしている、いわゆる8050問題をベースとしています。

(リンク先:学研ココファンのHP)





また、少子高齢化の要因として、未婚率の上昇が挙げられる。 

結婚した夫婦が子供を作らないから少子化になっているのではなく、そもそも結婚しないので子供が増えないのが少子化の本性です。

もう、単なる2世帯同居の問題では無く、日本社会に大きく横たわる問題をテーマに扱っている。
このドラマをほのぼのと見ることができる人は幸せで、
身の回りにも直面していることで、自分事として見るに耐えられない人も多いことだと思う。



「0.5の男」は、 WOWOWにて視聴可能。
また、Amazon Prime会員であれば現在(2024/9/1)無料視聴が可能。

他世帯同居を検討してる人はご覧になると参考になると思います。
 

岩手で一泊して、午前中、
東北住建の瀬川さんのアテンドで、
盛岡市の建築の、私が興味ありそうなところへ
あちこち連れていってくれた。

 

 



まずは、東北住建の事務所見学。
仙台と盛岡の2つの拠点で、
東北でかなり大きな建材商社。
木村会長の時代で文化的な活動が
社風を品をよく変えた。

本社屋は西方設計の設計。
ファサードラタンの外装の、
木造3階建てのエコビルです。

 





紫波町のオガールタウンにも行ってきた。
紫波町は、1町8カ村が合併し誕生した。

 



紫波中央駅の西側が全くの原野であった。
町役場の老朽化に伴い、庁舎を移転し新設する。
さらに図書館、バレーボール、競技場、
野菜直販所など公共施設を集積させ、
地域的な魅力をつけた。
同時にエコと町並みに配慮した住宅街を造成。
それがオガールタウン。



すぐ脇にあった公社の造成団地が、
坪30万円で売り出しても売れず、
最後には10万ほどまで下げて販売していたのが、
隣接地にオガールタウンができたことで
総合的な魅力がアップして、
地価が30万円まで回復して全て売れたという。



行政主導の事業は、
失敗してそうなイメージだが
ここは違って、全国的な模範事例ということで
毎年200組もの視察が全国から押し寄せる。

みかん組の竹内さんが、
エコハウスの設計ガイドラインを
決めるなどのアドバイザーで参画。

 



しかし、このプロジェクトのウリであった、
バイオマス燃料でのセントラル熱供給や、
震災等の影響で、電線の地中埋設などが、
中途半端なのがやや残念だった。

なかなかうまくいかなかった要素も含め
勉強になります。


次に案内は、かなり進歩的な
高性能賃貸の事例です。
手掛けるのは 「くらしすた不動産
HP情報をみて欲しいが 非常に不動産屋ばなれをした

社会問題に切り込んでいる稀有な不動産屋です。


杉板外壁のファミリー向けのアパートが、ただならぬ雰囲気。
ボリュームが大きいのに極めて安い賃貸料。
これで計画が成り立つのか。
事業収支計画がなぞなくらいすごい。

瀬川さんいわく、建築的工夫と
岩手は建築費が安いからという。



杉板外壁での賃貸も、
新潟においても需要があることだろう。


東北住建の木村会長さんの
娘さんは、人気住宅作家の
中村好文事務所の元所員で
8年前に独立して設計事務所
atelier meie を開設。

店舗の設計事例も見せていただいたが
師匠譲りの静かで味わいのある作風。

 



このような建築的に面白い事例を、
瀬川さんがガイドで案内してくれた。

〆は創作盛岡冷麺。
うまかった~。

 

岩手市を巡った印象はランダムで言うと、

盛岡のプライド。やはり城下町。
バンカラで男性が育つ風土。

大谷翔平
インバウンド

 


(日本初の木の外壁のローソン!)
ニューヨーク・タイムズが選ぶ魅力的な街。
これからさらに伸びることであろう。

 

瀬川さん、色々良いところ見せてくれてありがとうございました!

 

 

 

おまけ:

帰りは郡山から新潟までバスで帰る。
午後は1本しかない。
それに合わせるために
郡山駅周辺をぶらぶら散策。
30年ぶりの郡山の街。

30年前のかつての輝きはなくて、
衰退ぶりに驚く。
北関東の主要都市も似たような状態になっているのだろうか。
駅の乗降客の半分はアジア系の労働者。
しかし、駅中の商業施設だけは若者中心に異常に賑わっている。

新潟駅も改修が進み、ショッピングセンターCoCoLoができて賑わっているが、
郡山のようになってしまうのだろうか?
駅だけが賑わう、超コンパクトシティ(汗
 

西方師匠と大人旅。

 

岩手県の盛岡には、東北住建さんの企画した

セミナーお受講するのが目的です。

 

秋田は、秋田犬に癒やされたが、

岩手は南部鉄瓶がお出迎え。

さすが大谷翔平を育んだ地域で、男っぽいぞ。

 

 



セミナー講師は、松村秀一先生。
2年前は東大。去年は早稲田。
今年は神戸芸術工科大学の学長を務めている。

さすが東大の内田研究室の出身で、
建築アカデミックの頂点の風格です。

 



大野勝彦が手がけた、セキスイハイムの、
ユニット構法に込めた思想。
名前のない部品としての箱を作りたかった。

まるでホームセンターで買える
構造用合板のように一般的なものを用いて、
工業化の力を使って、当たり前に合理的に
住宅を供給するという、夢がかつてはあった。

松村さんは、著書で詳しく触れられていている。
ハウスメーカーの登場と、
工業化による量産の夢。

住宅の民主化の最初のステップについて
ぜひ、本書も手に取ってもらいたい。

 



ひらかれる建築: 「民主化」の作法



大野勝彦氏は、ハウスメーカーでの
住宅供給に限界を感じたのか、
わかりませんが、最終的には
「工務店のネットワーク」の活動へとシフトした。

 

****************

2人目のセミナー講師は、ブルースタジオの大島さん。
リアルでじっくり話すことができたのは初めてです。

 



東中野の不動産屋さん、実家は大家さん(資産管理)をされていた。
本人は武蔵野美大で建築を学ぶ。その後、設計事務所に勤務。
しかし家業を手伝うことになった。
そこからリノベーションへとつながった。

20年前、首都圏にマンションリノベの
ブームが引き起こったが、その中心人物です。
今ではむしろ街の再開発的な仕事が多い印象です。

半径200メートルの徒歩圏の世界での、
自分たちの領域を良くしよう。
住民が動き出す。街開きを行う。
それがリノベーションの活力を生む。

 



集合住宅は、外構から手をつけるのが1番効果的。
何も取り柄のない中層階の集合住宅。空室に困っていた。


室内には一切手を加えず、
アスファルトを剥がし、木を植え、外観を整えた。
すると満室になった。

さすが、リノベ世界の神様。
非常に学びの多い発表内容でした。

リノベを触媒にして 人を動かす。
シンパを増やす。

 

人たらしの才能は悪魔的にすごい。
私も じっくりお話するのは初めてでしたが、
数十年来の友人のように錯覚してしまう。

 



松村先生と大島さんは、
ともにリノベーション協議会の要人ですし、
もちろん親しい間柄。

懇親会場の掛け軸が、四国の御朱印で
あったのを見て感心している様子。

 


割烹の待合室の四畳半が絶妙に心地が良い。

 

次回はファイナル。

東北住建の瀬川さんのアテンドで巡る、盛岡の建築巡りです。