住宅営業マン不要論 2022年版 | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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パワハラで住宅営業マンが追い込まれる

 

ハシモトホームという青森県のローコストパワービルダーの住宅営業マンが、パワハラ被害に遭って自殺した問題が、話題になっております。TwitterやYahoo!ニュースなどで盛り上がり、6/23日に朝のワイドショーで何分も特集で扱う事件になっていた。

どんな会社か知らなかったのでHPを見ようとしても全体が見れないようになっています。
(2022/6/24現在)
ビジネスジャーナルさんの記事が一番深掘りしていたのでリンク張っておきます。

どうやら、もともとおとなしい性格の事務方の人間を住宅営業マンに配置転換していたようです。
不慣れな住宅営業。しかし、お引き渡しの時のお客様の喜ぶ顔を見たいと頑張って働いていたようです。おとなしくまじめな性格で自分を抑圧し過ぎて参ってしまったのでしょう。
ご冥福をお祈りします。

青森でのトップビルダーで、営業成績が3位になるとは、
年間で20棟以上は契約していたでしょう。
残業時間が月で70時間を超えていたと言いますが、
この業界ではさほど極端なオーバーワークではなくて、ごくごく当たり前だよね~、
という声もあります。
(うちの会社はホワイトなんで、7時になると誰もいなくなりますが)

宴会の際に、3位になったことを称える賞状を、「症状」と題して与えていて、
その文面がドン引きのブラック丸出しで、話題となった。
職場環境の陰湿さを物語っています。

 


私が見てきた住宅営業マンの世界

私は40歳まで住宅営業マンをしていたから、あの界隈のパラダイムはよ~~く知っている。大手ハウスメーカーから地方のビルダーに至るまで、住宅営業マンなんてブラックもブラック。最低の仕事だと思いますよ。

私のかつて在籍していたところは、年間の売上高が1億5000万円に達しなかった場合は、自動的に月給が20万円まで下がり、生活できなくなる給与の体系でした。
現代であればコンプラ上問題ないのかな? 驚きでしょう?

コンスタントに売れている人間以外は会社を辞めざるを得ない。
当時は一〇工務店あたりも似たようなもんで、
大〇建託と一〇工務店は、常に職業安定所に求人が出ていることで、業界では有名です。
それだけ弱肉強食の社会で、とにかく生き残っていくのが難しい。

私的に、辛かったのは自己啓発系の研修ですね。
表向き週休二日ですが、月に1回は 泊りがけの研修を入れてくる。
これは休日に任意で受講しているという体裁です。 

自己啓発系は人格変容させようとするのが基本なんで、きつかったですね。
それ以外にも商品説明・営業会議などもある。

売る暇がない位、やたらとそういった研修や会議が多かった。
累計で何百人もの営業マンと話しましたが、パ〇ソニックが1番すごいようです。
松下幸之助のPHPの影響でしょうか、教育熱心過ぎて販売する時間がないってことで。

住宅営業の地獄絵図

売れなければ在籍できない。
子供はどんどん大きくなって家計はお金がかかる。

子育て世代の営業マンのパパはつらくても辞められない。
けれど収入は安定しない。 

ふつうの勤め人は、2年分の源泉徴収で住宅ローンが借りれますが、
住宅営業マンは3年分の提示を求められます。
ようするに 自営業扱いなんです。 それに定着しないし。
ひとことで言えば、社会的な信用が無いのです。
当然、目標という名のノルマがあるわけで、達成しなければ兵糧攻めが待っている。


それに加え、お客さんと会社から板挟みになる。
正直、モンスターカスタマーも当然いるわけです。
お客様のリフォーム工事を頼まれて、仕上がったところで、支払いしたくないから
いろいろ文句をつけて代金を支払わない。
責任とって営業マンが支払うこともあったりする世界。

なかなか地獄ですね。


なかなか精神的に参ってしまう職業です。

 

タイムリーにこんな本が出版されて売れてますね。

住宅営業マンぺこぺこ日記――「今月2件5000万! 」死にもの狂いでノルマこなします

営業マンははっきり言って、いるだけでコストセンターのはずですが、
会社としても、売り上げを大きくするには営業マンを抜きにはできない会社が多いわけです。
弱肉強食で売れる人だけ生き残ればいい。
ウクライナの前線のロシア兵のように消耗品なのですよ(涙

 

住宅営業不要論

オガスタの場合は、私と広報が窓口で、初回の接客はしますが、
それ以降は、プッシュな営業行為は何もしない。
「家を建てたい」と意思表示をしたならば、図面を書く設計マンや、現場を担当する監督とリレーをして、直接コミニュケーション取ってもらう。
このほうが よほど問題が起こりにくい。

従来型の住宅営業マン不要論は、かねてから主張していたテーマです。

家づくりの知識で過去のものをご覧ください。

しかし、住宅営業マンが存在するのは、ある意味お客様にも責任がある。
その営業マンの印象で、会社選びをしていることがある。
背中を押してくれる人間がいるから、そこで決めるという自発性の無さが横たわる。
この人を信じたから。責任を取ってくれるだろうという、他責の念。

だから企業は業績になる。という構造です。

それって、本当の意味での民主的な家づくりが訪れていない。ことになりませんか?


お客さんが自分の頭で判断して、直接、家をつくる人と一緒に家づくりをすることが本質ですよ。

私がもし、家づくりをしようとしている消費者であるならば、
営業マンの居る会社では家を建てないですね。
商業主義の分かりやすいアイコンですから。

 

「日本の家づくりをまともにしたい」

これが オーガニックスタジオ新潟の理念なので、かなり本気の記事にしました。

 

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