冷暖房エネルギーの試算値と実燃費の違い | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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冷暖房エネルギーの試算値と実燃費の違いについて


本当に試算通りの結果になるのかとよく聞かれますが、
冷暖房負荷計算は、一定のルールで計算する車の燃費性能のようなものです。






カタログでリッター40kmと書いてあって、実際のその距離を走ると思っている人はあまりいないと思います。

 

私の乗っていた先代のプリウスのカタログ数値はリッター32kmで、

実燃費24kmほどなので、÷0.75くらいの結果なのでしょうか。 

 



「中野山の家」の家の 1年の冷暖房電気代が、28,500円との試算なので、
 ならば38,000円程度と推測もできます。

先代のモデルハウスは、暖房費用が40,000円の試算でしたが、実際の暖房の電気代は50,000円程度でした。

現実には住んでおらず、生活の内部発生熱が無く、エアコン任せの温度一定キープしていました。

試算は思ったほどずれが無いものです。

 

計算に用いるソフトによりますが、試算結果は 実燃費よりもよくなる傾向があると言われます。

ただホームズ君は、他の主要ソフトに比べて実燃費に近いと聞きます。

さらに、実際には 当たり前なことですが 諸条件で変化が生じます。 
計算条件の外気温はアメダスの統計データだから、何十年に1度の異常気象になったら数値は変わります。
今年の酷暑は特にひどく、西日本だと例年の4割増しで冷房負荷が増えたと聞きます。

暮らし方も同様です。
試算のルールとしては、冬の室温の設定温度は20℃、夏は27℃にすることです。

寒がり、暑がりで、温度設定を想定より大きく変えている方は、とうぜん試算結果とは異なります。 

また、試算数値を保証するものではありません。
ルール通りに計算したら、こうなりましたよという数値です。

 




この辺、北海道ではどう扱っているのですか? 
と 山本亜耕さんにかつて伺ったところ、

「試算値は申請等で使うだけの数値であって当てにしていない。
北海道では地域での断熱性と灯油使用量の関係などの統計的な蓄積があるので、
この仕様で、これくらいの家だと、こうした事例があるよ。」と説明している。


とのこと。 
さすが 高性能の蓄積のある北海道ならではです。



性能マニアよりも 当り前化へ

オガスタも、燃費計算・気密測定、実邸の温熱調査と、
冷暖房の電気使用量調査を、全棟やればいいじゃないかという声も聞きますが、
そこまで手間をかけていられないので遠慮しておきます。

全棟ではないにしろ、サンプル調査的に毎年行っておるし、
設計施工ノウハウの、経験的蓄積は十分されてきているからです。

それと、あまり この手の情報を提示していると、
断熱マニアックな旦那さんが寄ってくるので、仕事にならない。 これは重要です。
目的は生活改善なのに、その手段へのあーだこうだに終始するのが嫌いなだけです。

バックグランドで高性能は当たり前化し、
暮らしの改善された現象にフォーカスを当てることに徹したいと考えます。