北の住まい設計社の家具デザイン
木製家具で一番難しいのは椅子であろう。
北の住まいの家具デザインの特徴は、
一言で「ストイックでロングライフ」
シェーカー・チェアーや、教会に置いてある椅子のように、
100年200年経ても廃れる事のない、シンプルで力学的に理にかなった、
「デザインしていないデザイン」である。
芸民運動で追求された「用の美」そのものの家具。
そこに、究極に吟味された素材そのものの美が加わる。
A・レイモンドの五原則にも通じるものがここにある。
金衛町の家のダイニングチェアは、 北の住まい設計社の「ミッションチア」である。
まさに教会に置いてある椅子である。
椅子の中では、スウェーデンの家具の父と呼ばれる カール・マルムステンのデザインした、スポークチェアが1番の売れ筋であるという。
スタンダードなこのチェアの、部材はスウエーデンから運ばれ、北の住まいの職人で組み立てられ、全国の家具ショップへと提供されている。
標準仕上げはヨーロッパ製のハードオイル仕上げであった。
素材感を生かしつつ、表面を硬くするからなのか。防水性が高まっている感じがした。
北の住まいの家具は、素材で勝負するだけでなく、
仕上げに関しては面白いものを持っている。
個性的な家具をお望みであれば、卵テンペラ塗料仕上げも用意されている。
西洋絵画においては、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』で使用した絵の具で、
家具で用いるとは 恥ずかしながら初耳であった。
独自のマットでシックな色合いである。
店舗空間でさりげなく使うと空間の雰囲気を変えることだろう。