岡本太郎記念館にてTARO賞20周年記念展
岡本太郎は、港区南青山に自宅兼アトリエを建て、生活と制作の拠点としていた。
私も大学時代は、渋谷区神宮前5丁目に住んでいた。
徒歩でいえば5分ほどしか離れていない。
しかし、当時はまだ存命で、自宅は当然非公開であったので訪ねるすべもなし。
情報も乏しかった時代で、どこにあるのかすら知らなかった。
岡本太郎が平成8年に84歳で永眠すると、妻の岡本敏子は、「太郎を次の時代に伝えるのが私の仕事」とすぐさま行動を開始します。
真っ先に取り組んだのが記念館の開設とTARO賞の創設でした。
死後同年に、岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)が創設され、
平成10年より南青山の自宅は、岡本太郎記念館として一般公開されました。
太郎氏のアトリエが維持保存されていて、当時の空気がそのまま伝わります。
アトリエは安定した均等な光を得るために、セロリー通りに北面に配置され、
大型作品にも対応できるよう、吹き抜けております。
2階に執筆できるような書斎がチラ見えた。
若かりし頃の太郎の写真から伝わるのは並々ならぬ人間力で、
それは目に現れている。 非常にかっこいい方であった。
リビングは南面され、にぎやかな庭に面している。
庭にはバナナが植えられ熱帯のシャーマニズム。
「タロウ犬」や「太陽の塔」などのオブジェがおり、楽しいカオスが出現している。
記念館は巨大すぎず、ヒューマンなサイズで とても居心地が良い。
しっかりしたカフェも併設し、足しげく通いたくなる場の力があった。
TARO賞は、太郎の遺志である「時代を創造する者は誰か」を問うための賞。
回を重ね今年で20年となることを記念して、〝20人の鬼子たち〟が一堂に会する展覧会が開催されています。
私の好きな山口晃様も、同賞の受賞者だったようですし、
大岩オスカール様の作品もかわいらしくてたまりません。
「いずれも一筋縄ではいかない作家たちですから、立ち現れるのはカオスでしょう。
唯一無二の濃密なアート空間をどうぞご堪能ください。」
会期は比較的長め。
TARO賞20年
20人の鬼子たち
2017年3月12日(日)〜6月18日(日)
東京方面に御用の際にはお勧めです。