古材のテーマパーク「井口製材所」 | オーガニックスタジオ新潟社長の奮闘記 │ おーがにっくな家ブログ

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古材のテーマパーク「井口製材所」

ハワイアンレトロな理容室でおなじみのマナ男さんからご紹介いただいた、井口製材所様。遅ればせながら、ついに訪問することができました。
新潟レトロ魔人の石川さんと、シャビー系インテリアによだれが出る波潟と同行です。

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井口製材所さんはもともと寺社建築用のケヤキなどに強みのある製材所でした。
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それが、中越沖地震以降に古材販売も扱うようになった。
ここから社長はなみなみならぬ情熱で古材への投資を進めて、古材のテーマパークのような膨大なストックを築き上げた。

この地区は中越地震・中越沖地震でかなりの家屋被害の出ている地域です。
井口社長の自宅も大規模損壊に遭いながらも、未だに塗り壁ははがれたまま。
365日、休みなしで営業し、役員報酬もろくにとらず、自宅も直さず、本業の製材所で得た利益もすべて古材事業への投資へ注ぎ込んできた。

例えば、蔵戸などは200枚も持っている!

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完全に 古材に取りつかれていると言っても過言ではない。恐るべき情熱です。
その情熱が実を結んだのが、NHK朝の連続ドラマ「梅ちゃん先生」でした。
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昭和のセットで使われたのが井口製材さんのものであって、古材の分野では全国区に有名になりました。

和ダイニングや、リゾートホテルの内装での引き合いが主流のようで、遠路からゼネコンの設計部や店舗設計のスタッフが買付ツアーに来ることはしばしばのようです。
この商売は品ぞろえが大事だから、倉庫を次々に増床して、社長は根っから古いものの収集が好きだからどんどんストックも加速する。

古材の買付に来て手ぶらで帰るのもなんだから、ついでで古い小物でも土産に欲しくなる。
そんなニーズに対応すべく骨董の品ぞろえも増やしていった。
出来上がったのは、好きな人には丸1日いても飽きないテーマパークです。

普通であれば、古材は持っていても山積みにしてるだけのケースもありますが、井口さんは非常に管理が行き届いてあり、グレーディングもできている。
「古い縁側で使っていた板材の水拭きしたもののAグレードだと㎡いくら」
などと、独自の価格体系を作っているので判断が付きやすい。

古材だけに限らず、元来の強みのケヤキを中心に銘木の板材も豊富に揃っているし、使い方次第という設計者の脳みそを刺激する様々なお宝の山であることは間違いない。

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例えば、これはお菓子屋さんが使っていたタイの型ですね。
うまく仕上げれば大化けしていいインテリアとなるだろう。

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この階段はロフトへの登りに使えるな。

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これは江戸期以前かもしれないが、手斧で板にした材料で、入り口をゲート状に装飾してもいけるだろう。意外とこれは洋風建築にも転用が可能である。

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これは危うく衝動買いしそうになった 幽霊が出そうなくらいに詫びた建具。
めちゃくちゃ好きですけど、どうやって使っていいのか超上級者向き。

本当は、こうした古材利用に関心が高くて理解のあるお客様と、設計者が一緒に来店し、お気に入りの一点と出会って住宅にもちいると、相当なコクを出してくれる。

目をつけているのが買われちゃうと困るので、ここでは写真を公開してませんが、アンティーク関係もけっこう使えるのがありますよ。
当方も、現在建築中のモデルハウスのインテリアと建材でお宝を活用させてもらいます。

この手の家づくりはものすごく面白いのであるが、毎度毎度でそうやっちゃうと設計と現場管理が大変なことになり、経営者側からするとぜったいに貧乏こいてしまうのが落ちではある。

古材収集は膨大な手間がかかっている割には、値段は想像以上にお安いです。
井口社長のお人柄でしょう。 どうせ全国区でもこれほどの事が出来る会社はあまりいないのだから、倍の値段にしてもいいくらい。

ミーハー気分でなく、本気でやりたい人は 名乗り出てください。
一緒に 古材テーマパークまでお連れいたしましょう。

全国の設計関係者の方も、ピンときたら長岡まで買付に来ると 電車賃以上の値打ちがあると思いますよ。