プロトタイプモデルハウスの2階天井の仕上げは、石膏ボードそのままで仕上げた。
石膏ボードは普通は下地になるため、未漂白の薄茶色の紙が表面に張られていて、その上にクロスなどが貼られるのだが、塩ビのクロスが貼られるくらいならば、いっそ紙のままのほうが風合いが良いと考えた。
壁には和紙クロスを貼るので、とうぜん相性はよく、未漂白の紙の色は自然の色で、肌色に似て人間の本質的に落ち着く色合い。
下地だという偏見を捨てれば、悪くない仕上がりだと思うのだ。
実はわたしらのオリジナルではなく、某建築家がやっていたのを「潔し」と共感し、アレンジしたものです。そのままだとあまりにも芸がないので、押縁で三尺の市松模様になるように工夫する。
コストはクロス工事が省けるが、大工の施工が面倒で人工が余計にかかる。へこみ傷があれば貼りかえることになり管理も大変。結局は塩ビクロス仕上げより安いわけではない。
ある意味 「素」の 「自然」な家を したかったという自己満足です。
そこで来場者の方の評価を受けたわけだが、これも評価が真っ二つ。
40歳以上の方は、「ちょっと耐えられない。せめてクロスにしてくれ。」というご意見が多かった。
一方で30代の人からは拒否反応はなかった。
世代で評価真っ二つなのが特徴的でした。
石膏ボードそのまま仕上げは、壁にも応用がすることができる。
小さい子供の部屋に、あえて石膏ボードで小学時代を過ごさせて、いたずら書きやピンで自由に貼り付けしたとして子育てし、中学生に仕上げをするとかなんていい工夫。
ゲイミンカン の市川様も、セルフで住みながら仕上げをしていく「住みながら発展していく喜び」を実践なさっている。
コストのメリハリというだけでなく、「仕上げをしない自由」があってもいいのじゃないかと思う。
受け入れられない人も多くいたので、こうした「意図」に共感した方に限定仕様と考えることにします。
いやはや 勉強になりました。