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専従日誌

徳島県農協労連専従のブログ 農業再建、農協革新の取り組みや活動紹介など

1月23日、「労働組合運動の社会的役割を考えるワーカーズネット徳島」の第4回総会・研修会が自治労プラザで開催された。

春田洋代表委員(徳島市議会議員:写真上)はあいさつで、「2018年にワーカーズネット徳島を立ち上げ、丸4年を迎えようとしている。この間、連合評価委員会最終報告の研修に取り組んできた。労働組合の必要性が薄れている今日、労働運動、労働組合の社会的役割を高めること、次世代に引き継いでいくことが重要だ。様々な社会の問題を解決できるのは労働組合しかない」と述べた。

 

総会では一年間の経過報告や会計決算報告、会計監査報告や議事として、2021年の活動方針案や予算案、役員体制案に関する提案が行われた。全ての議事は拍手多数で承認された。

 

総会のあと研修会が行われ、関西生コン事件について、全日本建設運輸連帯労働組合の小谷野毅書記長(写真下)より講演を受けた。

小谷野書記長は「関西生コン事件は何を問いかけているのか」というテーマで生コン産業の概要や労働の実態、労働組合の取り組み等について説明を行った。

 

セメントはギリシャ時代から使われ、明治時代から戦後までは工事現場でコンクリートを製造する手法が取られていたが、1950年代初頭から生コン工場による生産方式が誕生し、1960年代以降はセメントメーカーの拡販政策で工場が乱立した。1965年に728工場だったのが1970年には2711工場、1990年には5394工場と爆発的に増え、稼働率は低下の一途をたどった。2018年の稼働率は9.5%にまで落ち込んでいる。セメントは90分すると固まるため、作り置きが出来ない。そのため受注がないと作れず稼働率が低いと言い値で出荷することとなり赤字になってしまう。また、生コン事業者は零細企業で、従業員規模29人未満の事業者が91.1%(1993年)で資本金規模も5千万円未満が84.6%となっている。

 

運転手の年収は1970年から80年代は600万円以上あったが、現在は400万円台にまで下がっている。年齢も60歳以上が50%以上、70歳以上が10%以上と高齢化が進んでいる。また、7割以上が日雇い労働者という実態だ。

 

阪神・淡路大震災で高速道路の橋脚が倒壊したが、「しゃぶコン」と言われる手抜き欠陥生コンの流通など、品質軽視が社会問題となった。

 

そうした事態を受け、労働組合として企業の枠を超えた集団交渉を行い、協同組合を発足させ、共同受注、共同販売、適正価格、適正労働条件、品質確保を実現させた。さらに最低年収630万円を実現させた。小谷野書記長は、水俣病を告発した新日窒労組の例を挙げ、労働組合の社会的役割として協同組合に入らないアウトサイダーの摘発に取り組んだ。

こうして、原価割れだった生コンの販売価格は1万1800円(2017年)から1万8000円台(2019年)に上がり、利益の出る適正価格となった。労働組合は2010年に、利益が出るようになれば輸送運賃を引き上げ、輸送労働者の正社員化や賃上げを実施するという協定書を結んでいた。しかし、実際に利益が出るようになると経営者は約束を守らず、6000万円もする高級外国車を2台も保有するなど、私利私欲に走った。2017年12月のゼネストでは「運賃引き上げの約束守れ」「協同組合の民主化」を要求した。京都、奈良、和歌山は誠意ある回答を示したが、大阪は掌を返し、「関生支部は組織的犯罪集団」「ストライキはカネ目当ての威力業務妨害」とでっち上げるなど、組合潰しにかかった。

大阪広域協組の指示により、2018年1月23日には「関生支部と個別の面談・接触を禁止」という指示文書が出され、各社が一斉に団交拒否に入るなど、大掛かりな不当労働行為が行われた。さらに、ヘイトスピーチのプロ集団を30人雇い入れ、宣伝カーを2台与え、デマ宣伝を繰り返した。不当労働行為は大阪府労委で労働組合の勝利命令が相次いだが、脱退強要や懲戒解雇により、3ヶ月間で約400人の組合員が脱退した。

 

これまでに刑事弾圧事件で逮捕者が89人、起訴が71人となっている。他にも組合員、元組合員、事業者の任意出頭や家宅捜索など膨大な数に上っている。小谷野書記長は「フェイクニュースを甘く見ていた。マスコミに大きな影響を与えた」「関西生コン事件は公の秩序を警察が決めるという先取りモデルだ。その証拠に何の知識もない組織犯罪対策課を使って逮捕させている」「組合を潰そうと強い意志のもとにでっち上げられている」と訴えた。そして、裁判闘争についても「国労の解体以降、ストライキが減少し、労働事件が少なくなっている。裁判官も労働法は必須でなくなっているので誤った判決が出されている」とし、「メディアは劣化し、SNSが主体となっている」「官邸主導で組合潰しが行われている」と危機感をあらわにした。

 

 

 

 

12月17日、国鉄闘争センター徳島主催の映画「国労冬物語」のDVD上映会が徳島市内で行われた。

 

上映会には闘争センター徳島の会員ら14人の参加があった。

 

「国労冬物語」は1987年、国鉄がJRになる時に団結力が強く、日本の労働組合をけん引してきた国鉄労働組合の組合員に対する採用差別や国家的不当労働行為が露骨に行われる様子や、不採用となったあとの闘争団および家族の苦労とたたかいの日々が100分にわたり収録されていた。

 

参加者らは30年以上前の光景に食い入るように観入っていた。

上映後に、元国労闘争団で高知県平和運動センター事務局長の中野勇人さんから映画の解説や当時の思いが語られた。

閉会あいさつで、主催者の河村洋二代表は、「90年代入って労働運動が後退し、労働組合の存在意義について答えを見いだせなかった時期がある。しかし、国鉄闘争を通じて『労働運動=人らしく生きる』ことだと分かった」と述べた。

 

国鉄闘争は、国鉄(日本国有鉄道)の赤字を解消するために国鉄を分割民営化し、大儲けを企んだ政府、財界に立ち向かった国労(国鉄労働組合)組合員をはじめ、これを支えた総評労働者の闘いであった。国労は 1993 年、国鉄分割民営化とたたかう決意を固めた。当時首相だった中曽根康弘は、「お座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」と国労潰しを宣言した。国鉄当局は、国労組合員を徹底的に差別し、いじめ選別し、人間性を否定した。たたかいは 1983 年から27 年間に及んだ。映画「国労冬物語」はこうした国労そして国労組合員がどんなに苦しくても仲間を助け、力を合わせて闘い続けるのはなぜか?を追求する。そして、それこそが「人らしく生きる」道であることに気付かせていく。

11月21日、労働組合運動の社会的役割を考えるワーカーズネット徳島の第2回研修会が徳島市内で開催された。

研修会では「労働契約法20条裁判の現状と課題」について、愛媛ユニオン井関分会分会長の藤田正美さん【写真】より、会社の井関ファクトリー労働組合に対する組合差別や20条裁判に至るまでのたたかいについて講演を受けた。

井関ファクトリーは井関農機本体に比べると、賃金は約半分、一時金も寸志程度、業務で使用するペンやシャチハタも自前、ロッカーも鍵がかからないのでモノがなくなったり、朝出勤して数時間でいなくなるのも日常的という劣悪な労働環境だった。

これらを改善しようと藤田さんは労働組合を結成し、まず学習に取り組んだ。しかし、会社側は本体の労働組合と結託し、新たに労働組合を旗揚げした。そこから、藤田さんや仲間への攻撃がエスカレートしていった。組合つぶしの攻撃は続いたが、日増しに権利や労働条件は改善し「組合ができてよかった。管理職や井関本体の労働者からの嫌がらせや横柄な口利きがなくなった」と組合員らは喜んだ。

 

今年12月末で井関ファクトリーは解散する。理由は赤字経営のためとしている。11月19日の団体交渉では、希望する社員はすべて井関松山製造所で雇用することを確認している。非正規労働者の賃金も数十円だが上がることとなった。

 

【井関労契法20条裁判闘争の経過はこちら】

 

藤田さんは最後に、「労働組合を分断して喜ぶのは資本だ」「無関心であってはならない」「やるべきことを迷わずにやることが大事だ」とまとめた。