3月14日、さよなら原発徳島実行委員会の第10回総会がとくぎんトモニプラザで開催された。総会には会員ら60人の参加があった。
実行委員会の藤永知子代表はあいさつで、「3つのことを申し上げたい」と述べ、①福島のこと②(福島の)子どもたちのこと③伊方原発のことについて次のように訴えた。
今朝も熊本で地震があった。日本は地震国で原発が無理なことが良く分かる。実行委員会では7回にわたって福島の子どもたちと親御さんを受け入れてきた。その中で言われたのがやはり放射能の問題、しかし口に出して話せないというところだった。いま学校だけは年間被ばく量1ミリシーベルトになっているが、学校以外では年間20ミリシーベルト以下になっている。そこのところが元に戻されることがなくて親御さんたちも心配していた。それから甲状腺がんが200人もいるということ。子どもたちの今後がますます心配される。最近知ったが、文科省が放射能の副読本というのを直接学校に送り付けていることを教えていただいた。これが3回も改定されていて、これを見ると明らかに原発推進側の意向が強く、自然界の放射能と今回の原発事故の放射能の問題が真正面から受け止められていない副読本となっている。実際に授業でどのように使われているかは分からないが、私たちは福島の原発事故を体験したというその事実についてはきちんと子どもたちに伝えていかなくてはならないと思っている。それと、オリンピックを開催したいのか、福島の事故が完全に収束したようなことを強調していて、低線量ひばくについては「健康被害はない」というような本当に問題の多い内容だ。私たちの知らないところで原発推進側は脇を固めてきているなという思いがした。福島の問題だが、デブリの問題、汚染水の問題を専門家に言わせると、私たちが生きている間にはまず解決しない、100年単位でモノを見なければいけないという話も出ている。そういう原発をまだ続けるのかという思いがしている。やはり10年前の事故があった時に、日本に原発はいらないと思ったはずだ、しかし原発推進側は着々と2030年のCo2ゼロをめざして、原発をどうしても入れていきたいというのが強く表れている。翻って伊方原発だが、広島高裁で行われている審尋の決定が3月18日に出される。伊方に関しては中央構造線の上にあって、佐多岬の5000人の問題、カルデラ、火山の問題がある。そうした中でなぜ伊方を続けていくのか、瀬戸内に面しているので山口県、広島県など全部囲っている。なので私たちにとっては非常に問題のある原発と言える。是非とも皆さんとともに再稼働反対、原発のないエネルギー政策ということをめざして一緒に頑張っていきたいと思うのでよろしくお願いしたい。
活動報告では、昨年9月に行われた第9回総会や四国電力への要請行動、「福島は語る」DVD上映会、あさこハウス支援カンパの取り組みについて報告が行われた。特に四国電力への要請行動については、毎回四国電力側の対応が悪くなり、昨年は新型コロナを理由に寒風が吹きすさぶなか、屋外で対応されたとのことだった。
他にも、会計報告、活動方針についての提案があり、すべての議案は賛成多数で承認された。
総会後は記念講演に移り、医師の井下俊(いのしたとし)さんより、「不条理な世界での生き方」をテーマに講演を受けた。
井下さんは養護学校で過ごした少年時代や、海外での医療支援、福島での診療支援など数多くの体験の中で感じた「不条理」から「人の生きる意味」を説いた。そして、政治・経済のあり方や原発政策、巨大地震への対応など、幅広い視点で誠実に対応することが必要だと訴えた。
記念講演「不条理な世界での生き方」 講師 医師 井下俊さん
不条理とは?
・筋道が通らないこと。道理に合わないこと。
・実在主義の用語。人生に何の意義も見いだせない人間存在の絶望的状況。カミュの不条理の哲学によって知られる。
個人と社会との関係性における社会的不条理
・自分に落ち度はないにもかかわらず、社会から阻害・排除され、社会の中で自己の存在意義を否定された状態。
・人種・宗教・経済的・学歴・ジェンダー・LGBT・身体認知機能などによる差別
喘息のため小学校2年生から中学校卒業まで養護学校にいた。この頃、喘息に耐えたり、母親が亡くなったりして孤独を知った。自閉症や知的障害、重度の疾患を持った生徒と一緒に生活をするが、何年か経つとこちらは成長するが、障害を持った人たちは成長しない。本人には何ら落ち度がないのにその違いに「不条理」を感じた。岡山大学に入ったがパチンコと読書の日々だった。これではいけないと思い2年で中退。人間にとって一番の不条理は「死」だと思い死を見るために医者になった。しかし、日々「死」に直面していると感覚が鈍り、ドライに受け入れざるを得なくなった。医者の世界は狭く、海外や福島への医療支援に行くことにした。
海外への医療支援
西チモール
1999年9月
パレスチナ
2000年3月~10月
2001年5月~6月
2002年5月~6月
パキスタン(アフガン国境)
2001年10月
コソボ
2001年12月~2002年4月
イラク
2003年6月~2005年 アンマン
2009年11月~2010年2月 クルド地区
不条理を解消するために壁は取り払わなければならない
壁に囲まれた一部の人たちのみが繁栄を享受できるよう国を運営することは、人権意識が高まった民主主義の時代においては時代遅れの方策である。
多様性を包含せねばならない国が取るべきは、壁を極力なくしていくこと。
自然科学者の生きる意味
自然科学は、客観的事実を積み重ねていくことでより高次の事実にたどり着く。
自然科学においては、頂上の真実もその土台となる小さな真実もその価値は同様であり、科学者の生きる意味は、紛いの無い事実を一つ一つ積み重ねることである。
事実を積み上げていく過程において、改竄、歪曲、でっち上げなどが介在すると、その土台は脆く崩れ落ち、より高次の真実に到達することができない。
人の生きる意味
人の生きる意味は何か?一人一人の人生は、一個一個のブロックに過ぎない。人類全体として長い時間をかけて何かを作り上げようとしているのではないか?ならば一人の人間の生きる意味は、崩れることのないしっかりとしたまがい物でないブロックを積み上げることであろう。
今の我々が誠実に対処すべき課題
・ポストコロナの世界
インバウンド・GoTo依存からの脱却
・大量生産大量消費に頼る資本主義
持続可能な社会を可能とする経済政策への転換
・原発政策
再生可能エネルギーへの転換
・首都圏直下型地震・東南海地震
首都機能移転・分散、沿岸中核都市の人口集中の是正
沿岸集落の高台移転、エネルギーの自立
記念講演終了後は約30人が本町交差点付近に移動し、「3.11福島原発事故から10年 脱原発アピール行動」に取り組んだ。







