3月15日、徳島市のあわぎんホールにおいて「さよなら原発徳島実行委員会 第15回総会・記念講演」が開催された。総会は14時に開会。福島第一原発事故から15年という節目を迎え、事故の記憶を風化させることなく、脱原発社会の実現を目指す取り組みを改めて確認する場となった。
冒頭、司会より福島第一原発事故から15年が経過したことに触れ、今なお避難生活を余儀なくされている人々がいる現状を踏まえ、犠牲者に対する黙とうが捧げられた。その後、議長に徳島労連幹事の乾琢也氏を選出し、議事に入った。

代表挨拶に立った藤永知子氏は、福島原発事故により20万人以上が避難した現実に言及。生活や生業を奪われた人々の苦しみを忘れてはならないと訴えた。また、2051年完了とされる原子炉の廃炉工程について、燃料デブリの取り出しが極めて微量に留まっている現状を挙げ、「実現は極めて困難」と指摘。さらに、政府が再稼働や60年超の運転、新増設へと政策を転換していることを批判し、「事故の教訓に立つならば、投資すべきは再生可能エネルギーへの転換であったはずだ」と述べた。そのうえで、事故の経験を原点とし、次世代に「原発と共存できない社会」を継承していく運動の重要性を強調した。
続いて2025年度の活動報告が行われ、幹事会の開催、伊方原発問題に関する学習会、四国電力徳島支店への要請行動などが共有された。特に伊方原発3号機の廃炉や避難計画の見直し、再エネ転換を求める行動が詳報され、今後も伊方原発問題を中心に街頭宣伝や要請を継続する方針が示された。全議案とも拍手をもって承認された。
質疑応答では、浸透圧発電など次世代エネルギー技術への期待や、3月11日の行動をより広範な市民へ呼びかける必要性が提起された。また、参加者からは東日本大震災の教訓や地震大国日本における再稼働への強い危機感が相次いで示された。
総会終盤にはアピール文を採択。廃炉の見通しが立たない現実や政府の原発回帰策を厳しく批判するとともに、高レベル放射性廃棄物の最終処分場問題、中央構造線付近に立地する伊方原発の危険性、県境を越える広域被害の懸念を改めて指弾し、全原発の停止と再生可能エネルギーの拡大を求めることを決議した。
総会後には、龍谷大学政策学部教授の大島堅一氏による記念講演「福島原発事故15年~脱原発社会の実現に向けて」が行われた。大島氏は、日本のエネルギー施策が世界の潮流に逆行していると分析。伊方原発について、地震多発地帯かつ狭隘な敷地という立地条件から事故対応が困難であることや、佐田岬半島の地形ゆえに避難やアクセスが極めて困難であることを挙げ、「日本で最もリスクの高い原発の一つ」と断じた。また、事故発生時の巨額賠償に対し四国電力の財務規模では対応しきれない点に触れ、原発維持の不合理性を説いた。
さらに、かつて「安価」とされた原発が、実際には事故対応や廃炉、廃棄物処理といった巨額の社会的コストを伴い、その負担が国民に転嫁されている実態を指摘。世界で再エネ導入が加速するなか、日本でのみ進む原発回帰を問題視し、地域から声を上げ続ける市民運動の意義を強調した。
今回の総会と記念講演は、福島原発事故の教訓を再確認するとともに、伊方原発をはじめとする山積する課題を共有し、脱原発社会の実現に向けた決意を新たにする極めて意義深い機会となった。









