全国農団労 2019年度農協革新討論集会 | 専従日誌

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徳島県農協労連専従のブログ 農業再建、農協革新の取り組みや活動紹介など

11月15日(金)フクラシア八重洲において「2019年度農協革新討論集会」が開催された。討論集会では農林水産省経営局協同組織課の日向彰課長による講演と、信用事業を取り巻く状況および代理店化に関する問題提起、事業改革に関する分散会討論が行われた。

農水省の日向課長は「農協に期待すること」と題した講演で、農協の自己改革について「早い遅いはあるが取り組んでいる」と評価する反面、「事業で行き詰らないか心配」「組合員に振り向いてもらわないと農協は生きていけない」と漏らした。そして、不安要素となっている「信用事業譲渡」と「准組合員の利用規制」について「信用事業の譲渡は選択制であり、准組合員の利用規制は5年間の調査を踏まえ検討する。結論については与党の決議を踏まえる」と説明した。そして、農協への要望として、①収支改善・経営基盤の強化②農業者の所得向上③農家組合員宅への訪問活動④地域への貢献を挙げた。今後6年間で地銀の6割が赤字になると予測されていることから「5年先、10年先の収支状況を把握し、改善目標を立てていくことが大事だ」と述べた。そして、全国の経済事業黒字農協の分析結果や、農協改革の進捗状況についても解説した。また共済事業についても「付加収入は毎年下がっている。今のまままで大丈夫なのか」「全共連のあり方を考えるべき。コストを下げることを考えなければJAの負担になる」と指摘した。最後に、「JAは食糧を対象にしているのでニーズはあり続ける」「ニーズに合う形で消費者に届けていくことなど、あたり前にやることをあたり前にやり続けることが大事だ」と訴えた。

午後からは、全国農団労の中本英治副委員長より、信用事業を取り巻く状況および代理店化に関する問題提起が行われた。中本副委員長は①農協の信用事業の歴史②信用事業を取り巻く状況③代理店化の問題点④農協がめざすべき姿についてパワーポイントを使って説明を行った。

分散会討論は8班に分けて行われ、2つのテーマ(1.信用事業改革の課題と方向性について2.経済事業改革の課題と具体的取り組みについて)で進められた。分散会報告では「信連の奨励金の引き下げで収益が下がっている」「投資信託や確定拠出年金の販売に力を入れている」「営農指導員とペアで訪問することで農業融資が伸びている」「効率化店舗になり人員減となった」「低コスト肥料を開発し価格を引き下げた」「経済店舗の集約で組合員離れが加速している」などの報告が行われた。

最後に2019秋期年末闘争の前進に向け、大谷委員長の音頭で団結ガンバローを行い討論集会を閉じた。