出光美術館「日本の美・発見X 躍動と回帰 ―桃山の美術」展 | 俺のまとめ -oremato-

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先週の日曜日はサントリー美術館の「藤田美術館の至宝」に行ったのですが、そのことをブログに書かないうちに今日は出光美術館、三の丸尚蔵館、東京国立近代美術館とハシゴしてしまいました。

もう何から書こうかという感じですが、出光美術館の「日本の美・発見X 躍動と回帰 ―桃山の美術」展からいきます。
Xはエックスじゃなくて、テン。2009年からやっている企画展シリーズ「日本の美・発見」の10回目です。

日本の美・発見X躍動と回帰 ―桃山の美術(出光美術館)

目玉は長谷川等伯の屏風絵2点。

日本の芸術を楽しむ♪=長谷川等伯と狩野派=(あかり荘)
長谷川等伯「竹鶴図屏風」

出光美術館で「長谷川等伯と狩野派」展を観た!(とんとん・にっき)
長谷川等伯「竹虎図屏風」

「竹鶴図」左隻の鶴は牧谿の「観音猿鶴図と同じポーズ。鶴の輪郭は外隈(輪郭線を描かず、内側は地の色を残し外側を塗って輪郭を浮かびあがらせる技法)で表現されていますが、右隻の鶴は草むらにうずくまっていて輪郭がはっきりせず、表情も含めてはかなげな感じがしてよかったです。
手前の竹は黒々と力強く、後方の竹は消え入りそうなほどうっすらと描き、墨の濃淡で大気の質感と奥行きを表現している点は等伯の代表作である「松林図」に通じるものがあります。

長谷川等伯らに影響を与えた画僧、牧谿(もっけい)の作品 
↑僕が最近作ったまとめです。

「竹虎図」は、かわいい。
虎の絵ってなぜかかわいいものが多くて、円山応挙も長沢芦雪も伊藤若冲もかわいい虎を描いてますし、8月に根津美術館の「絵の音を聴く雨と風、鳥のさえずり、人の声」展(←この話もブログに書きたいのにまだ書いてない)で観た雪村周継の虎もかわいかったんですが、等伯の虎もポーズといい表情といい絶品ですね。

とら・虎・トラ 甲子園の歴史と日本画における虎の表現(西宮市大谷記念美術館)
円山応挙《水呑虎図》個人蔵
長沢芦雪《龍図虎図襖》無量寺蔵
伊藤若冲《虎図》石峰寺蔵 ←サントリー美術館の「若冲と蕪村」展で観た

絵の音を聴く雨と風、鳥のさえずり、人の声(根津美術館)
龍虎図屏風(左隻) 雪村周継筆

等伯の虎は胴は輪郭線を描かずにモフモフ感を表現しているんですが、手足はかなり太めの輪郭線を描いていて、虎の縞模様と輪郭線が一体化しているようで面白いです。

この絵でもう一つ興味深いのが竹で、左隻の左の方の竹は後に狩野探幽がこの絵を修復する際に加筆したものだそうです。右隻の左端の等伯が描いた竹は陰影をつけずに同じ濃さで描かれているのに対し、探幽は墨の濃淡で陰影をつけています。探幽の方が丁寧に描いているんですが、僕は等伯の竹の方が力強くて好きです。

ところで、探幽は件の修復の際にこの絵は周文(室町時代の画僧)の作だと書きつけています。これは探幽の祖父・永徳のライバルであった等伯の業績を抹消しようという意図があったとも言われているそうです。真偽はわかりませんが、そもそも竹の加筆も等伯と違うタッチで描いたら統一感を損なうのは当然ですし、探幽ほどの絵師であればもっと等伯に近いタッチで描くこともできたでしょうから、やはり何らかの意図を感じます。恐ろしい子!

そんな訳で今日は等伯の2点だけで終り。
いつまで経っても書くことがなくなる気がしない(笑)。