前期・後期で展示替えがあるのですが、「暁斎楽画第九号 地獄太夫 がいこつの遊戯ヲゆめに見る図」が観たかったので前期に行きました。
楽器や碁といった遊戯に興じる活き活きした骸骨たち。6歳で歌川国芳、9歳で狩野派に入門したという経歴を持つ河鍋暁斎ですが、これは特に国芳の影響を感じさせる作品です。
この作品を含め河鍋暁斎記念美術館の所蔵品が多かったのですが、メトロポリタン美術館から来ている暁斎晩年の作品12点が、面白いもの、見事なものばかりで大きな見どころでした。暁斎といえば蛙好きで知られ、本展でも「美人観蛙戯図 」「蛙の人力車と郵便夫」「風流蛙大合戦之図」といった作品が観られましたが、メトロポリタン美術館からの12点では「うずくまる猿図」「瀧、鷲に猿図」「鹿に猿図」「ぶらさがる猿図」と猿を描いた作品が目立ちました(蛙を描いた作品は「蛙を捕まえる猫図」というのがありました)。猿も好きだったんでしょう。
他に印象に残ったのは「月に狼図」。子供の頃に川で人間の生首を拾ってきて写生したというやばい逸話を持つ暁斎ならではのリアルな生首もさることながら、狼の表情も不気味で、強烈なインパクトがありました。
(美の履歴書:409)「月に狼図」 河鍋暁斎 リアル過ぎる生首のわけ(朝日新聞デジタル)
楽しい作品、かわいい作品から「月に狼図」のような不気味な作品、春画から暁斎には珍しい山水画まで暁斎の幅広い画業を楽しめる展覧会でした。
…と終わると見せかけて、もう一人の主役、ジョサイア・コンドルにも触れておきます。コンドルは鹿鳴館を手がけたことで知られる建築家で、いわゆる「お雇い外国人」の一人。本展の会場である三菱一号館美術館もコンドルが手がけた建物です。暁斎に弟子入りして暁英の号を与えられたコンドルが描いた絵も想像以上に見事なものでした。コンドルは暁斎の弟子であると同時に暁斎の作品を高く買い取って経済的に支えるパトロン的存在でもあり、仲のよい友人でもあったようです。二人の交流に関連した資料・作品も充実していて、そういった部分でも楽しめる展覧会でした。
文中、公式サイトへのリンクを貼っています。
前期は8月2日、後期は9月6日まで。
美術手帖 2015年 07月号/美術出版社

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「美術手帖」「芸術新潮」でも暁斎特集組まれてます。
3つ目のは本展でも展示されていたコンドルの著書『Paintings and Studies by Kawanabé 』の邦訳版!
【関連まとめ】
日本美術はかわいいという風潮 #美術展 #鳥獣戯画 #若冲 #琳派 #仁阿弥道八