もう何か月も前の話で、今更「行ってきたワン」でもないのですが、5月に松濤美術館の「いぬ・犬・イヌ」展に行きました。
↓のまとめを作っていたときにたまたま開催中で、最終日に行くことができました。以下文中に登場する絵は仙厓義梵の「子孫繁盛図」を除き、まとめ内に画像があります。
【日本美術】かわいい犬の絵(応挙、芦雪、若冲、仙厓、広重…)
目当てだったのは主に俵屋宗達、円山応挙、仙厓義梵、長沢芦雪。
宗達は「双犬図」みたいなかわいい絵も描いてるのですが、この展覧会で観た2点はどちらも「きもかわ」系。解説にもそう書いてありました(笑)。
応挙は「かわいい犬と言えば応挙」というくらいの存在ですが、応挙が描いた犬の絵を実際に観るのは今回が初めてでした。「十二支図ノ中 菊狗子図」1点でしたが、さすがのかわいさでした。ただ、展示スペースの都合で絵とガラスの間に少し距離があって、もっと近くで観たかった!
長沢芦雪「一笑図」は、芦雪特有の人間のようなポーズで座った犬も、子どもの股をくぐってるやつも、股から顔を覗かせてるやつも、手前で寝転んでるのも、子どもに首つかまれてぶら下がってるやつもみんなかわいい(笑)。「一笑図」という題は「竹」と「犬」という漢字をあわせると「笑」になることからというのは事前に知っていたのですが、子どもの股をくぐっている犬は中国の故事「韓信の股くぐり」の見立てだと解説にありました。
芦雪の絵にはもともと師事していた応挙の影響に加えて独自のゆるさがありますが、さらにゆるいのが仙厓義梵。
もともとネットで知っていた「犬図」の実物を観られたのもよかったのですが、もう1点の「子孫繁盛図」もよかった。
お坊さんが子どもを連れ、子どもが犬を連れているという絵で賛は「ちゃんちゃんの子がちゃんとなるからに其子もちゃんとちゃんちゃんちゃんちゃん」というもの。「ちゃんちゃん」というのは父親の意味で、「子が父親になり、その子もやがて父親になって、子孫が繁栄していく」というようなことを表しているようです。
近代の画家の絵でも応挙風の子犬が結構多く、その中では竹内栖鳳の「土筆に小犬」が特によかったです。
栖鳳は他に「清閑」「百騒一睡」という作品があり、応挙とは異なるスタイルの「清閑」もかわいらしい。
「百騒一睡」は子犬は応挙風ですが、この絵は犬よりむしろ雀がよかったです。
浮世絵では勝川春章の「雪月花図ノ中 雪図」がよかったです。春章は肉筆浮世絵(版画でない浮世絵)の名手と言われるだけあって、犬の毛並みの描き方も見事でした。春章の肉筆浮世絵は過去に観たことあるはずですが、存在を再認識しました。
ちゃんちゃん。