というわけで、最近作ったまとめがこれ。
『バードマン』の撮影監督、エマニュエル・ルベツキ #アカデミー賞 2年連続受賞
『ゼロ・グラビィティ』と『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で2年連続アカデミー賞撮影賞を受賞したエマニュエル・ルベツキのまとめですが、この人が関わった作品でまず紹介したいのが、アルフォンソ・キュアロン監督の2006年作『トゥモロー・ワールド』です。
※ストーリーのネタバレはしませんが、撮影技法についてネタバレします。
冒頭から長回しのシーンで始まるこの映画、
いくつか印象的な長回しシーンがあるのですが、とりわけ驚いたのが中盤の車のシーン。
正面から車内の5人(前2人、後ろ3人)を映している状態から、視点が後部座席の方へ寄っていき、前の席から後部座席の3人を映しているような状態になった後、左前・左後ろの2人のやりとりをとらえ、また後部座席の3人を映したところで、車の進行方向で何かが起こり、カメラが右180度ぐるっと振り返ります。さらに右に回って運転席(進行方向右前)を映すと、そのまま右後部座席、後ろ中央座席と、遂には360度一周してしまうのです。その後も前、後ろ、前とカメラは動き続けます。
文章で書いてもよくわからないかもしれませんが、要はカメラマンはどこからどう撮っているんだよという話で、こんなシーンをカットなしで撮ることは本来不可能なのです。
ではどうやってこのシーンができたかというと、一続きに見えるシーンは実は複数のカットで構成されていて、切れ目がわからないようにコンピュータ処理でつなぎあわせているそうです。
この手法はルベツキのその後の作品でも取り入れられていて、最近日本公開された『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』に至っては2時間近い全編がほぼワンカットに見えるように編集されているそうです。
こうした擬似全編ワンカット映画のさきがけと言えるのが、アルフレッド・ヒッチコック監督の『ロープ』(1948)です。

この当時はフィルムの長さが10分程度であったため、複数のカットをつながざるをえなかった(アップのシーンでさりげなくつないでいます)のですが、時代は変わり、デジタル撮影によるガチの全編ワンカットで撮影された長編映画として知られているのが、アレクサンドル・ソクーロフ監督の『エルミタージュ幻想』(2002)です。
- エルミタージュ幻想 [DVD]/紀伊國屋書店

- ¥5,184
- Amazon.co.jp
それ以外の真性全編ワンカット映画として『ホテル・ワルツ』(2007)という作品を紹介します。 - ホテル・ワルツ [DVD]/オンリー・ハーツ

- ¥4,104
- Amazon.co.jp
まあ、これくらいしかそういう作品を観ていないのですが、この映画はすごいです。
イタリアのあるホテルの女性従業員の周囲で起こるドラマがほぼ映画内と同じ時間進行で描かれるのですが、ホテルの通路を歩く主人公が別の従業員とすれ違うとそこで視点が切り替わるというように結構凝った構成で、さらには回想シーンまでカットなしで表現しているのです。
主人公が昔の話をした後で画面から歩き去っていったと思うと、違う髪型で歩いてきて回想シーンだとわかるといったやり方です。
そこまでいくとカットなしでどこまでやれるかということが目的化しているきらいもありますが、話もそれなりに楽しめます。Amazonの「商品の説明」でもストーリーにしか触れてませんしね。
(いやそこは触れろよとも思いますが)
監督はサルヴァトーレ・マイラという人で、有名ではありません。
尺は80分ちょっとで『エルミタージュ幻想』より10分ほど短いですが、
長回し好きなら楽しめる作品だと思います。
最後にルベツキの話に戻りますが、長回し、擬似長回しだけがこの人の魅力というわけでは決してありません。
そのことは僕が下手に語るよりも、まとめで紹介している動画や画像を見ていただければおわかりいただけることと思います。
『バードマン』の撮影監督、エマニュエル・ルベツキ #アカデミー賞 2年連続受賞
てことでよかったらまとめもチェックしてね~。
- ホテル・ワルツ [DVD]/オンリー・ハーツ