ひばり | 劇場の通路側から

劇場の通路側から

劇団四季を中心にミュージカルなど観劇した感想を綴るブログです。

深読み多めでお届けして参ります。


三が日最終日はひばりへ。

今期2回目です。



劇団四季のストレートプレイを最後に観たのはいつだろう...と記憶を辿ってみると、2018年の恋に落ちたシェイクスピアでした。上川一哉さん、磯貝レイナさん筆頭に、田邊真也さん阿久津陽一郎さん飯村和也さんと、奇しくも今回のひばりのキャストさんが結構多かったこと!(写真を見返して気付きました)




劇団四季随一の役者さんたちによるストレートプレイひばりを、12月と1月に2回観てみての感想です。



神の声を聞いたジャンヌダルクが、軍を率いて戦い、魔女扱いされ火炙りにされる



というのはなんとなーく知っていたのですが、劇団四季のひばりではそれが時系列ではなく、裁判のシーンから始まり過去を回想しながら劇中劇が進行していく、最後は意外な終わり方をする。という予習までして初日に臨みました。










初見と2回目で印象に残ったこと🔰



五所真理子さんジャンヌ

ビジュアルも動きもとにかく素敵(ショートカットは地毛?カツラ?どっちにしてもとても良い)!

台詞の量が凄まじい(BBやりながら地道に覚えたのかな...)

聖ミカエル再現時の声が聞いたことない低く野太い声にビックリした(表情も観たことない顔でさらに好きになった...)しかも2回目は2階席最前上手側だったので、まるでこちらに聖ミカエルが語りかけるような錯覚を覚える位置でとても堪能できました。



勅使瓦武志さんボードリクール

言葉巧みに手球に乗せる五所さんジャンヌの悪戯少年みたいな表情と発声が良い(女だと思わないで聞いて...からが本当に少年のように見えた)。最初は疑いながらも会話を楽しんでいるうちにまんまとジャンヌの思惑にはめられていきつつ、


\「と、あなたは考えた!(意)」/


とジャンヌにお膳立てされるボードリクール。この流れ、何回観ても面白い!



宮田愛さんアニエス

美しく知的な貴婦人めちゃくちゃ似合っている!&小林由希子王妃とのバランスが良い!(同い年年女のお二人!


下手側着席時は王妃を先に座らせたり、度々語尾に「ねぇ王妃?」とつけたり、帽子を一緒に取りに行こうと無邪気にはしゃいだり...中野今日子さん王太后の言う通り、わきまえている感がよく伝わる。


しかもシャルルとは夜ベッドの上では作戦会議のみ。最後は王妃しかみごもらないとは...宮田アニエス、ただ頭のキレる貴婦人ではないな。。



田邊真也シャルルとの謁見

近藤合歓さんシャルルの小姓による替え玉陛下、こりゃどっからどう見ても王様には見えないし笑、下手後方で様子を見守る田邊シャルルの挙動不審な様子も面白かったです笑。田邊さん御御足細い...


五所ジャンヌの「シャルル!」の無邪気な呼びかけがかわいらしく感じつつも、その後の語りかけ方がただの少女とは思えないただならぬパワーを秘めた引力を感じる話し方。


ボードリクールとは違うアプローチが必要なせいか、なかなかトントン拍子にはいかなそうなシャルルに「私もここへ来るまで怖かった」とジャンヌも共感しながらシャルルの恐れを肯定。


想像力があるから怖い」、「自分が怖がった後は相手が怖がる番だ」と寄り添いながら力強く背中を押し鼓舞する様子が印象的でした。



2幕開け

始まり方が面白い。1幕ラストのシーンをもう一度少しだけ繰り返しているのは、劇中劇だからあえてこういう感じなんでしょうか??


金久烈さんラ・イール

五所ジャンヌの親しげな様子がBBの別世界線みたいで良い。

背景の照明がまるで朝の空のように爽やかで、2人のやりとりは🧅🍷の香りが本当に漂ってきそうな空気作り。ラ・イールは敵に立ち向かいあのまま逝ってしまったのだろうか、、😢


・再び裁判のシーン

地獄の門番のような味方隆司さん大審問官と救いの手を差し伸べる道口瑞之さんコーションの緊張感のある対比にのめり込んでしまう。

牢屋は嫌だという言葉の背景にある話、初見はコーションと同じように勘づいて思わず目を背けたくなる内容。2回目観たときには、五所さんが感極まっているのか目からも鼻からも溢れ出るものが...自分の台詞の直前、自然な動きで目鼻を拭いきちんとジャンヌとしてそこに居ました。


・牢獄

五所ジャンヌ、最初からずっと哀しそうであるものの悔いのない真っ直ぐな瞳でいるけど、林和男ジャンヌ父から罵倒されている時だけは違う恐怖に支配された表情のような気がして。一番身近で支配されやすい相手からの攻撃は何より怖いのだろう...戸高圭介兄とはしゃぐ表情と真逆で辛い...。そんな家族との描写に比べると、幾分牢獄での表情はおだやかに見えてしまいました。


・ラスト

再び勅使瓦ボードリクール登場で状況が一変するわけですが、初見がセンブロ後方だったのでダイレクトに叫び声が聞こえて飛び上がるくらいびっくりしてしまいました笑 


2回目を観ても、まだまだこの終わり方に口ポカン😦となってしまうのですが、そのまま火炙りにされるよりいっか!という感じです。


2回目で気になったのは、戴冠式で正面一番上の位置でジャンヌが旗を持ち凛とした出立ちでいること。


さわやかな表情の五所さんが、そのあとすぐにカーテンコールで階段をぽとぽと降り、中央センターで(一番小柄なせいか)顎を軽く斜め上に上げてからご丁寧なお辞儀をするのが見ていて微笑ましいです☺️ 


下手にはける時も、前の方の衣装を踏まないよう注意しながら左手をやや広げてくてく歩いていくのが素敵です(五所さんが好きな方ならわかっていただけるはず!)




劇団四季創立70周年記念シーズンを飾る最後の演目、ひばり。チケット戻りがまだあるようですし、今週からシャルルで笠松哲朗さんがデビュー予定。もう一度最後に観たいなあと思いますが、1月はもうウィキッドで予定がパンパン、、何とかします。