自分をおとしめる考えに巻き込まれそうになったら。

時々
話がなんだかかみ合わないなぁ
って人いませんか。

あることを聴いても
その答えが
とんちんかんな感じで返ってくることととか。

その人は、

もしかしたら

あなたの声を聞いているのではなく、
自分の中の声を聞いているのかもしれません。

たとえば、
カウンセリングの場面です。

お仕事でストレスがきついといって
カウンセリングにいらっしゃいました。

最近の経緯の確認で、
私が

「以前のお仕事はお辞めになって新しいお仕事についたのですね」

とお聞きしました。

すると、

いかに以前の仕事がきつかったのか
みんなあの仕事はやめていく
私はまだもったほうだ。

ということを
延々と話し始めました。

私としては、
新しい職場では、なれないこともあり大変なんじゃないかなぁ

という気持ちと、

ただ単純に
経緯の確認をしたいとおもっての
質問でした。

なので、
「はい」
というお返事だけで十分だったのです。

しかし、
クライアントさんの気持ちが十分ではありませんでした。

クライアントさんにとって
私の質問は
ただの経緯の確認ではなく、

「なんで前のお仕事を辞めちゃったの」

という質問に置き換えられ
どこか攻撃を感じたのではないでしょうか。

もっというと
「お仕事辞めるのは悪いことよ」

「あなたに非があったんじゃない」

というメッセージを受け取ってしまったのではないかなぁと思いました。

もちろん、
ここはカウンセリングなので、
思いがけず、
このクライアントさんの苦しみが
浮かび上がってきたので、そこについて行くことになります。

が、
今回お伝えしたいことは

人は必ずしも
「事実」を聞いているわけではなく、
「自分の声」を聞いているようだ。

ということです。

「聞かれたこと」に答えているのではなく

「聞かれた、言われたと思ったこと」に答えているようです。

そして、「聞かれた、言われたと思ったこと」は

「自分が思っていること」が多いようです。

上記のクライアントさんの場合
心のどこかで

「仕事を辞めた自分をせめて」いたのでしょう。

そのフィルターがかかると

前のお仕事や
辞めたことや
転職したことに触れられると

「自分攻め」が発動し、

「私は悪くない。」と防衛が始まるわけです。

このようなことは
会話においては常に起こります。

だからこそ、
相手はこういうことを聞いているのではないかなぁと思って

話を膨らませたり、

相手の欲しい情報を提供したりして
会話を楽しむことができます。

しかし、
その想像が
「自分を攻めている」という前提ばかりでいるととてもしんどいですよね。

会話の中だけではありません。

起こった出来事に関してもそうです。

失恋したのは私がだめだったからだ。

離婚したのは私が
わがままばかり言っていたからだ。

うまく行かないのは
私は幸せになれるような人間ではないからだ。

と
ただ起こった出来事を
自分をおとしめるように意味付けしてしまいます。

そういうとき、
「事実」が見えていません。

「なにが起こったのか」という事実は見ずに

自分の中にある、
「考え方」や「世界の見方」を適応した
事実っぽいものをみています。

そして
自分の中にある
自分に対するネガティブな見方や
世界に対するネガティブな見方を

さらに強化していきます。

そこから
どう脱していけばよいでしょうか。

そのためには、筋トレが必要です。

あまりに自動思考になっていて
なかなか気づきにくいのですが

自分をおとしめるような思考パターンに気づいて

それは
間違っている考えだ。

とパターンを断ち切ります。

そして

できるだけ
事実をみていくようにします。
妄想ではなくて。

もちろん
すべての事実を見ることできないかもしれません。

しかし
少なくとも、
自分をおとしめる妄想から脱することはできます。

自分の中にある
自分をおとしめる妄想に巻き込まれないで！

気づいて脱していきましょう＾＾

心理カウンセラー　利佳