当然、私は平日は仕事。

杉原さんは、こちらにいるときは朝早く会社に行き、段取りをし社員を送り出しデスクワークするか営業に出るか、時間がある時はゴルフやゴルフ練習場に行っていた。

手が足りない時は杉原さんも現場に出た。

近くで深夜工事の時は皆に差し入れを持って行く。私も隣の県までお供した事もあった。

平日の杉原さんの日中の行動は、時々一緒にお昼ご飯を食べている時以外は当然私にはわからない。

実母と食事したとかお茶したとか、後で聞く内容しかわからない。

こちらにいるときは、朝が早いだけに結構時間がある。

美和子がゴルフのレッスンを受けたいと言い出した。杉原さんに相談して私も知り合いのレッスンプロに頼む事にした。

レッスンは平日の日中にする事になった。

初日、美和子にレッスンプロを杉原さんが紹介してくれた。
それまで、杉原さんと美和子は話をした事がなかった。

私と杉原さんが仲がいいという程度には思っていたはずだが。

初日のレッスンが終ってから杉原さんと私と美和子でお昼ご飯を食べた。

「明るい人だね、彼女」と杉原さんは私に言った。

美和子はその日の夜に私の家に来て「あなたっていいよね。何をやってもうまいし、仕事も出来るし、周りに杉原さんみたいないい人がたくさんいるし何故?」と以前にも言われたような事を言った。

「確かに周りに恵まれているとは思う。でもね、仕事も何でも多少の努力はしているよ。ゴルフも同じ。うまくなりたいと思うからみんな練習するんだよ。あなただってうまくなりたいって思ったからレッスンプロに習う事にしたんじゃないの?」と答えた。

美和子は「そうだけど…私はあなたよりうまくはなれないよ」とまたネガティブな事を言う。

「そうでもないと思うよ。ゴルフがうまくなるにはある程度は時間とお金が必要なの。私は仕事もあるし、ゴルフに費やせるお金も決まっているけど、あなたは自由に時間とお金が使えるじゃない?だから私よりうまくなれる可能性はかなりあるよ。後はあなた次第。」と言った。

「そう?私でもうまくなれる?一緒にゴルフに行ける?」

「だからあなた次第だって。私も特別うまいわけじゃないからね。別に今からプロを目指す訳でもないしそれなりに出来れば楽しいから」

等と話した。


そして私は美和子ファミリーと3泊で軽井沢に遊びに行った時、初めて美和子をゴルフ場に連れて行ってラウンドした。

ゴルフのルールもマナーも知らない美和子とラウンドするのは結構私には大変だった。

美和子は私に手取り足取り教えられ何とか初ラウンド終了。

次の日も行きたいと張り切り、予約出来たので2日連続でゴルフをした。

スコアは数える事が出来ない位だったが、美和子は満喫していた。


私は、躁鬱病みたいな状態だった美和子が元気にゴルフしたりして楽しんで、子供達にも優しく接する姿を見て、その時は良かったと思った。

その時は…


不倫だけど、大好きな人と過ごせる幸せな日々が続いた。


当り前のように逢っていた。


何も疑うことなく、今は私だけを見てくれている杉原さん。


このまま一生続いて行くと信じていた。


ある日まで…
その後も私と杉原さんはとてもうまくいっていた。


結構パソコン操作がうまくなった杉原さん。


時間がかかるがエクセルで工程表も上手に作っていた。マクロまでは出来ないけど私が作ったものをうまく活用し仕上げていた。メールで文書の送受信もこなすようになっていた。


ある日「渡したいものがあるから仕事の帰りに会社に寄ってくれないか?」と杉原さんから電話があった。

渡したいもの??
何だろう??


仕事が終ってから杉原さんの会社に行くと「これ、使ってくれ」と私の目の前に大きな箱を出した。


「えっ?これってノートパソコン?どうしたの?」


「俺、さぁのおかげでだいぶパソコンが使えるようになった。そのお礼だよ」


「でも…こんな高いもの」


「何を言っているんだ。受け取ってくれ。何もわからない俺にここまで教えてくれたさぁに感謝してるんだぞ」


「ありがとう…凄くうれしい。びっくりした」


当時のノートパソコンは今より高価で、30万円弱くらいのものだった。


「杉原さん、ありがとう。大事に使います」


「よし、喜んでもらえて良かった。これからも頼むね」


うれしかった。


私を思ってくれる気持ちがとてもうれしかった。


杉原さんは二人で行動する時の費用は全て出してくれた。私に缶コーヒー代すら出させなかった。


杉原さんが買って合わなくて私が使えそうなゴルフクラブももらった。


私は、杉原さんの誕生日とクリスマスとバレンタインデーの時だけゴルフウェア等のプレゼントをした。


高価なプレゼントを買うと逆に叱られた。一番高価だったのはゴルフバッグ。ネットで買ったので色々選べて杉原さんに似合う物を安価で…もちろん私のゴルフバッグも一緒に買った。


余りにもお揃いって感じはあえてやめて、同じブランドのものにしたが、持っている人が少なく、かなりお洒落な雰囲気は出ていたはず。


杉原さんは「俺の為にこんな高い物を買うな」と言ったが喜んですぐ使ってくれた。