私は暇潰しに時々ヤフーのチャットをしていた(今もあるのかな?メッセンジャーだけになったのかな?)


チャットのゴルフ部屋だけ覗いていた。


いつも同じ人達が来ていた。


少しずつ、私も会話に参加するようになった。


全国からゴルフ好きがチャットで主にゴルフの話をしていた。


ゴルフ部屋の常連さんで栃木の人がいた。


その人に、「ゴルフ部屋で皆さんと会話中、プライベートメッセージが余り会話に参加していない人からよく来るの。どうしたらいいのかな?」とチャット初心者の私は聞いた。


「イヤだと思ったら無視したらいいよ。中には変なメッセージを送って来る人がいるかもしれないし」と答えてくれた。


オフ会ゴルフコンペの話が持ち上がり、思い切って参加してみようと栃木の人に相談してみた。


「オフ会の件で連絡したい時はどうしたらいいの?」

「ヤフーメッセンジャーをDLして僕にメッセージを入れて下さい。すぐには気付かなくても必ずメッセンジャーに返事を入れておきますから」と言われた。


なるほど…


言われた通りにしてみた。
私にメッセージを送って来る人の中に、大阪のトトロさんがいた。





ゴルフの次の日の朝、杉原さんからメールがあった。


「昨日電話するって言ったのに急な仕事が入ってしまった。今度埋め合わせするね」


また嘘…


私は「急な仕事?美和子と会っていたのに?また嘘ですか?」と返信した。


私のメールに返信はなかった。



どれだけ私を苦しめるの?


私はまた杉原さんからの電話とメールを完全に無視した。






それぞれ自分の車ですぐ近くにある地元のゴルフ場に向った。


「悪いことしたかな?何だか断われなくて」山下さんが私に謝った。


「気にしないで下さい。私はマイペースでやりますから」と私は山下さんを気づかい返事した。



穏やかな山下さんや池田さんとは違いハイテンションな杉原さん。


私は淡々とゴルフを続けていた。


「やっぱりさぁのように放っておいても自分でプレーできる子じゃないとな。
初心者じゃ教えたり世話が大変で自分のペースが乱れるよ」杉原さんが山下さんに言っていた。


その初心者は美和子を指すのだろう。
美和子は私の目から見てもそんなに上手くはなれないだろうなぁって感じだった。


「え~、いや~ん、どうして~、あ~ん」ばかりなのだ。
上手くなりそうな要素が全くみえなかった。

競技志向の人達には合わない。


ラウンド途中、杉原さんが私に近づいて来て「終わったら電話するから食事に行こう」と言った。


私は無視して杉原さんからわざと離れた。


久しぶりのラウンドの割りに私のレベルではまあまあのスコアだった。


18番ホールからクラブハウスに向かう途中、杉原さんの携帯電話に着信があった。


携帯電話を見て、あわてて少し離れて会話している。
「今?ゴルフ終わった所。あはは!いいよ。すぐ電話する」離れていても声が大きいから聞こえて来る。


私は杉原さんをじっと見た。
私の視線に気付き、杉原さんは「何だよ!」と急に強気になった。


美和子からの電話だったんだとわかった。


いそいそと帰り支度をし、早々に逃げるように杉原さんは帰って行った。


もちろん、ラウンド途中に後で電話するからと言っていた杉原さんから電話はなかった。


ゴルフ場から自宅への帰り道、私はいつも行く本屋に寄った。
本屋の広い駐車場の端に美和子の車が停まっていた。


やっぱり…


私と杉原さんも何度もこの本屋の駐車場で待ち合わせた事があった。


またか…


また私に誘いの言葉を言っておきながら、美和子の誘いに私を無視して行った。