坂井さんとの新しい出会いがあった。


坂井さんには奥さんと4人の子供がいた。

会社がある場所のすぐ近くに両親が住む家があると言っていた。

奥さんは北海道の出身で、結婚する前は毎週末北海道に通っていたと話してくれた。


その後も隣の県に来てくれた。
今度はホテルのツインの部屋に二人で。


杉原さんとのことでまだ気持ちの整理が出来ていない私を一晩中抱き締めてくれていた。


翌朝「デパートに行こう。何もお土産持って来なかったし」と有名デパートに行った。

「何でも好きな物を買ったらいいよ」


私は戸惑い、欲しい物も特にナイし決める事が出来ない。
そんな私に坂井さんは洋服を選んでくれた。
値段も確認しないで。
「こんなに高い服…」と私が言うと「かまへん」とあっさり。


駅のホームで別れた。


それ以降、一ヶ月に一回位の頻度で会うようになった。





トトロさんの名前は坂井さん。
写メで見たときは気付かなかったが実際に会うと納得。

アニメのトトロの雰囲気を持っていた。

優しく、包み込んでくれるような…


初めて坂井さんに会った。
坂井さんが携わっている仕事の現場が隣の県にあった。

坂井さんも杉原さんと同じ建設業。
建設業関係でもやっている仕事はかなり違ってはいたが、大手ゼネコンの下で仕事をしていたのは同じ。


隣の県の現場近くまでどれくらいかかる?と聞かれた。

高速で一時間余り、特急電車でも一時間位。


「出て来ないか?」坂井さんは言った。


大阪から仕事を兼ねて私に会いに来ると言った。


土曜日の午後、待ち合わせをした。


私はJRで行った。

駅で坂井さんを待った。

ちょっとお腹が出ていて、でも優しそうな眼差し。


「写真以上にべっぴんさんや。スタイルもいいし」大阪弁で言った。


同じホテルに部屋をとり繁華街に食事に出掛けた。

お土産代わりとして、GUCCIの携帯ストラップをプレゼントしてくれた。


ゴルフの話や仕事の話をたくさんした。


「僕には何でも言いなさい。自分に不利になることは人には言ってはダメ。何でも相談にのるから」


私にとって頼もしい存在になった。


翌朝、朝食をとってから、坂井さんは大阪へ帰って行った。


私もJRで地元に戻った。


毎日、坂井さんから電話やメールが届いた。








ゴルフ部屋なので、当然ゴルフの話題が多い。
時にはそれぞれが住んでいる所の話題。


ゴルフ部屋での会話に参加していた最中に、プライベートメッセージが届いた。


大阪に住むトトロさん。
会社の社長さんのようだった。
仕事の話やゴルフの話、とてもためになる話をたくさんしてくれた。


お互いにいつもパソコンの前にいることが出来ないので、携帯電話でメール交換を始めた。


経営者サイドの意見も多かったが真剣に何でも答えてくれた。


写メでお互いの写真の交換もした。


私の写真を見て「びっくりしたよ。えらいべっぴんさんやないの」と言っていた。


トトロさんは正直、好みのタイプではなかった。
でも、何か癒されるような雰囲気があった。


ある時、「彼氏はいるの?」と聞かれた。

私は、杉原さんとのことを簡単に話した。


「同じ男として許せない人だな。あなたにはまだ会ったことはナイけれど今まで話をしてきた限り芯の強い真面目な女性だと思う。自分にプラスにならないような人はいらないと判断していいのじゃないか?」


「わかってる。でもなかなか気持ちが切り替えれないの」


「あなたのような人が追い求めるレベルの相手じゃないよ」


その通りだ。誰もがそう言うであろう。