坂井さんの優しさで私は少しずつ杉原さんを追うことをしなくなった。
それなのに…
杉原さんからメールが来た。
「入院することになった。
さぁ、頼みたい事があるから病院に来てくれないか?待っている」
入院?何で?
どうしたの?
少しずつ杉原さんのことを忘 れようとしているのに…また私の心をかき回す。
「入院ってどうしたの?頼みたい事って何?」
と、私は杉原さんにメールした。
かなり久しぶりにメールした。
メールが来ても無視し続けていたのに…
「ごめん。待ってるから。部屋は2病棟704です」
意味がわからなかった。
仕事が終ってから病院に向った。
状態がわからない。
とにかくどうしたのか聞かなければ。
そう思う反面、
また困ったら私に連絡して来る。
放っておく方がいい。
知らん顔してればいい。
入院に関する事でならば奥さんもいらっしゃる。
迷いながらも病院に着いた。
「病院の駐車場に来てる。病室に行くのはまずいんじゃない?」
とメールした。
「部屋までおいで」とすぐ返信が来た。
「大阪に遊びにきぃへんか?」坂井さんが言った。
「いいの?」
「かまへんよ」
私は土日の休みを利用し、大阪へ向った。
坂井さんの仕事が終るのを難波あたりをブラブラして待った。
デパートで待ち合わせして坂井さんとミナミでてっちりで食事して一緒に泊まった。
その時に初めて私は坂井さんと結ばれた。
次の日、私が行きたかった所に連れて行ってくれた。
本当に優しい人。
大阪駅のホームまで付いて来てくれて見送ってくれた。
それから何度か大阪へ行った。
念願の坂井さんとのゴルフも実現した。
私の地元は雪でゴルフができなかった。
大阪で一泊し、次の日の早朝に坂井さんのホームコースに行き二人でラウンド。ゴルフ場近くに泊まって次の日は坂井さんの会社の下請けさんも加わり一緒にラウンド。
「ゴルフもうまいし、べっぴんさんやし、社長、いつの間に…」と言われていた。
たいしてゴルフは上手くないし、特別綺麗でもないのに…
淋しい思いをさせてるからと、一ヶ月に一度はプレゼントが届いた。
GUCCIのものが多かった。ダイヤのネックレス等も。
坂井さんが私の地元にも来てくれた。
同業者の旅行で隣の県まで来た時に、途中から別行動をしたようだった。
愛されている…と思った。
毎朝のメールと仕事が終った後の電話。
会いたい時に会えないが、私はそれで十分だった。