以前は就業規則で副業を認めていない企業が多かったのですが、最近は副業を容認するところが増えているようです。また、パートやアルバイトを複数掛け持ちしている人もいると思います。

 

実は副業やダブルワークをしていると、労働基準法に違反してしまうことがあります。労働基準法では、法定労働時間が1日について8時間となっており、8時間を超えて労働させてはいけないことになっています。但し、変形労働制や労使協定を結ぶことで8時間を超えて労働させても違法ではなくなります。

 

 

労働時間の規制は、働いている場所ごとに行うのというのではなく労働者ごとに対してするというように規定されています。副業やダブルワークをする場合は、働いた時間の合計が労働時間になります。その合計した労働時間が8時間を超えると、割増賃金を支払わなくてはいけなくなります。

 

例えば、日中6時間アルバイトをした後に、異なるところで夜4時間異なるアルバイトをしたときは、労働時間が合計で10時間になります。その場合、夜4時間働いたうち後半の2時間の労働については、割増賃金を支払わなくてはいけません。夜のアルバイト先で4時間しか働いていなくても、2時間分は割増賃金を支払う必要があります。

 

こういったケースでは実際に割増賃金を支払われることはほとんどありませんが、厳密には夜のアルバイト先の雇用主は労働基準法違反となってしまいます。

 

会社勤務で1日に8時間働いた後に、副業としてアルバイトで働いた場合は、そのアルバイト先での労働に対しては割増賃金が発生することになります。割増賃金を支払わないと、アルバイト先の雇用主は労働基準法に違反することになります。

 

また、会社に出勤する前にどこかで2時間アルバイトをした場合は、会社で6時間を超えて働くと、それ以降の労働時間については割増賃金が必要となります。割増賃金は、合計で8時間を超える時間帯に労働させた事業主が支払うことになります。

 

副業といっても、自営であれば労働時間になりませんので労働基準法違反にはなりません。労働時間というのは、労働者が使用者の指揮命令下にある時間のことですから、自営の場合は働いていても労働時間にはあたりません。


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