会社勤めをした人なら、ほとんどの人は有給休暇を取得したことがあると思います。会社によっては有給休暇を中々取らせてくれないようなところもあるようです。実はこれは労働基準法違反になってしまいます。

 

労働基準法では、原則として有給休暇を労働者が請求した時季に与えなければいけないことになっています。何月何日に有給休暇を取りたいと労働者が請求したら、その日に有給休暇を与えなければいけないということです。

 

但し、例外が認められています。請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に与えることができます。他の日に変更をすることは可能ですが、有給休暇自体を与えないことは認められていません。実際には、周囲やお客さんに迷惑が掛からないように、事前に休暇を取ることを伝え、忙しいときや重要なことがある日を避けて、有給休暇を取得することは必要だと思います。

 

また、労働基準法をよく知らない会社や上司がいると、「有給休暇を取ったら給料を減らす」「有給休暇を取ったら評価に影響する」というようなことを言われることもあるようです。これも労働基準法に違反することになります。

 

労働基準法では、有給休暇を取得したことによって、給料を減らされたり人事評価を下げたりなど、労働者の不利益になるようなことをすることも禁止されています。

 

 

その他にも、病気以外は有給休暇を認めないという会社も一部にはあるようです。これも労働基準法違反となります。有給休暇をどのように利用するのかは、労働者の自由となっていますので、有給休暇の取得理由によって有給休暇を与えないということは労働基準法に違反することになります。

 

 

有給休暇の取得については、働いている人も実はよく知らないことが多いと思います。また、会社で人事労務を管理する人の中でも、理解が不足している人が少なくないような気がします。ちなみに有給休暇について労働基準法に違反すると、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。

(労働法規に関する他の記事)
○会社を辞めただけでは失業ではない?
○残業すると労働基準法違反かもしれない?

○6時間以下の労働では休憩は与えなくてよい?