米国ハワイ州のオアフ島で、米軍のオスプレイが着陸に失敗して炎上する事故がありました。乗員2名が死亡し、20人が負傷しました。オスプレイの機体が大破するような死亡事故は3年ぶりのことです。

 

日本のマスコミでは、今回の事故を受けてオスプレイは危険だと盛んに主張しています。一方で、米国ではオスプレイの安全性については全く騒がれていません。

 

それは、オスプレイの事故発生の確率が低いからです。米軍の主な航空機の事故率をみると、オスプレイの事故率は米海兵隊の中でも平均以下になっています。事故率とは、10万飛行時間当たりの飛行事故の件数です。

 

米海兵隊の200310月以降10年間の平均事故率は2.45で、MV22オスプレイの事故率は1.93となっています。更に、MV22オスプレイの事故率は米軍運用航空機の中でも平均以下になっています。

 

下のグラフは、米軍運用航空機の事故率を現したものです。

オスプレイ事故率


航空機の事故というのは、軍用機・民間機を問わず発生しています。飛行をしていれば事故をゼロにするのは無理な話で、航空機が飛行していれば一定の事故が発生してしまいます。

 

航空機の安全性については、飛行時間に対してどのくらいの事故が発生したのかというのを見る必要があります。しかし、今回のオスプレイの事故の報道で、事故率を伝えたものはほとんど皆無です。

 

ちなみに日本の民間ヘリの2000年代前半の事故率はおおよそ3だったようで、オスプレイよりもかなり高くなっています。

 

実際に、日本国内でヘリコプターの事故は毎年のように発生しています。そして、報道機関がチャーターしたヘリコプターの事故は少なくなく、過去に死亡事故が何件も起きています。

 

また、航空事故ではありませんが、201410月にはしまなみ海道で行われた国際サイクリング大会で、参加者がめくれ上がった重さ10キロ以上の滑り止めマットにぶつかり重軽傷を負う事故が起きました。

 

当日は強い風などは吹いていなく、事故現場付近を飛行していた毎日新聞の取材ヘリの気流が影響していたようです。取材ヘリは、近くを飛んでいた飛行機を避けるために水面から150メートルの高さで飛んでいました。航空法施行規則では、地表面または水面から150メートル以上の高度を保つことが規定されています。

 

 

今回のオスプレイの事故で、オスプレイが危険だから飛ばすなと主張するのであれば、オスプレイより事故率が高い民間ヘリについても飛行させないように言うべきではないでしょうか。少なくともメディアは、報道ヘリを飛ばすことをしないようにするべきですね。


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