実は米国というのは同盟国であろうがなかろうが、自国の利益のために盗聴することはよく知られており、現在でも行っています。もちろん、日本に対しても盗聴を行っています。
平成7年の日米自動車交渉で、当時の橋本通産相ら日本代表団がCIAに盗聴されていたのは有名な話で、覚えている人も多いのではないでしょうか。日本に対する盗聴は、それ以前から行っており、現在でも引き続き行っています。
米国の盗聴で、重要な役割を担っているのがエシュロン(Echelon)です。エシュロンは、米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国が参加する通信傍受機関です。
主に、赤道上に配置されている商業通信衛星の電波を地上で受信していると言われ、地上波無線、短波無線、電話、インターネットなどあらゆる通信を傍受しています。
受信基地は参加国以外の国にもあり、日本にも三沢基地にあります。
上の画像の赤い丸部分を拡大した画像です。
受信アンテナがどの方向を向いているのかを隠すために、白いドームで覆われています。下の画像で、左側にある丸く柵に囲まれているのは「象の檻」と呼ばれているもので、地上電波がどの方向から発信されたのかを特定する探知施設です。
三沢基地にある受信基地は、日本だけでなく極東ロシアや東アジアの傍受も行っているようです。
ほとんど全ての通信を傍受することが可能ですが、中身を分析するためにはある程度の絞り込みをする必要があります。
特定の人物、電話番号、地域に絞り込みを行い、優先順位の高いものを決めて傍受を行っています。日本では、主に経済分野について情報収集を行っています。
米ソの冷戦時代は軍事分野の情報収集が中心でしたが、冷戦終了後は同じ西側諸国でも利害関係が対立することが多くなり、経済分野での情報収集が増えているようです。
エシュロンについては、これまでにメディアに取り上げられています。日本のことも盗聴していますので、本来であれば大きな問題なので、もっと大きく扱ってもおかしくはありません。
日本にはまともな諜報機関がなく、世界の中の情報戦では蚊帳の外に置かれており、米国から情報を分けてもらっているような状況もあり、あまり突っ込んで報道されることはありません。
実際にエシュロンによる通信傍受で日本が恩恵を受けることがあります。北朝鮮の金正男氏が成田空港で摘発されたときや、日本赤軍の重信房子が逮捕されたのも、エシュロンが傍受した通信記録を解析して所在を割り出し、それを日本の捜査機関に通報したと言われています。こういったことがあるので、日本政府も正面切ってエシュロンに反対することはできないのだと思います。
米国との同盟に批判的な政党や政治家は、なぜエシュロンについてもっと追究をしないのか不思議で仕方がありません。もしかしたら、通信を傍受されていて何か弱みでも握られているのでしょうか。
日本も早く国家安全保障会議をまともに機能させないと、いつまでたっても米国に情報が筒抜けの状態が続いてしまうような気がします。
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