地方の商店街には、商店や事務所が閉店や閉鎖し、シャッターを下ろした状態が目立つシャッター街が増えていると言われています。シャッター街は、地方の衰退や不景気の象徴だという声も聞かれます。
昭和の時代には、街の商店街が多くの買い物客で賑わっていました。しかし、年々商店街の中の空き店舗は増えていき、2000年度は1商店街当たりの空き店舗率は8.53%でしたが、2012年度には14.62%まで上がっています。
アベノミクスによって大都市の景気は上向いたが、それが地方にまで波及していないと言われています。その象徴として、地方の商店街のシャッター街を引き合いに出すマスコミもあります。
では、地方が衰退したからシャッター街が増えたのでしょうか。また、地方の景気が良くなれば、シャッター街に買い物客が戻り、空き店舗が少なくなるのでしょうか。
地方経済が上向いても、シャッター街が活気ある商店街に戻るとは思えません。全国にシャッター街が増えた主な理由は、他にあるからだと考えているからです。
その理由とは、マイカーの普及と郊外型のショッピングセンターの増加です。
地方は完全に車社会となっており、主な移動手段は車です。地方の商店街には十分な駐車スペースがありませんので、車で買い物に行くには不便です。車で買い物に行くとなると、どうしても広い駐車場がある郊外のショッピングセンターに行かざるを得ません。
郊外型のショッピングセンターは、1990年代以降に急激に増加しました。下のグラフは、2013年12月末に営業しているショッピングセンターの、年代別立地別の分布を現したものです。
資料出所:日本ショッピングセンター協会
注)2013年12月末に営業中のショッピングセンターが対象
1990年代は632、2000年代は589ものショッピングセンターが増えました。これだけ多くのショッピングセンターが増えれば、既存の小売店の売り上げに当然影響を及ぼします。
ショッピングセンターが増えたのに伴って、小売の販売額が増えていれば、既存の小売店の売り上げが減ることはありません。1980年以降の小売業の販売額はどうなったのでしょうか。
資料出所:経済産業省「商業動態統計調査」
1980年代は販売額が増加していますが、1990年代は横ばい、2000年代に入ると減少傾向になっています。
1990年代以降は、ショッピングセンターが急激に増えているにもかかわらず、小売業の販売額は増えているどころか減ってしまっています。これでは、既存の小売店の売り上げは落ちても仕方がありません。
小売に関しては、ショッピングセンター以外にも通信販売の存在も無視できません。特にインターネット販売は2000年代以降に台頭して、年々販売額を増やしています。ネット販売も含めた通信販売の売上高は年間約6兆円とも言われています。
小売の販売額が増えていないのに、新しい販売チャネルが増えてしまっては、それまであった小売店の販売額は落ち込んで当然です。しかも、主な移動手段が車となっている地方では、車で買い物がしにくい商店街は、衰退しても仕方がないような気がします。おそらく地方の景気が良くなっても、シャッ ター街が賑やかになる可能性は低いのではないでしょうか。
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