【映画】デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章~統合力が抜群の一作 | 鶏のブログ

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観た映画、読んだ本などについてのメモです。
”ネタバレ”を含みがちなので、その点ご容赦下さいませ。

【監督】黒川智之(アニメーションディレクター)

【原作】浅野いにお

【制作国】日本

【上映時間】120分

【配給】ギャガ

【出演】幾田りら(小山門出)

    あの(中川凰蘭)

    入野自由(大葉圭太)

【公式サイト】

 

今年3月に公開になった「前章」に続く待望の「後章」でした。原作漫画は未読でしたが、本作の世界観に惹かれていっぺんにファンになりましたので、当初の予定より1か月ほど公開が遅れましたが、早速観に行って来ました。

 

東京上空にUFOが襲来し、そこに潜む宇宙人との会話なき対立という超マクロでSFチックなテーマと、普通の現代女子高生(本作では大学に入学して女子大生)の揺れ動く細かい心情の部分にスポットを当てた超ミクロなテーマを見事に融合させ、破綻のないお話に創り上げた統合力が凄いと感じました。また、福島第一原発の事故とか米軍基地問題をはじめとする日米の非対称な関係、グローバル化を進めたことによる在日外国人の増加とそれによる地域社会との軋轢と言った、まさに現実社会の重要テーマを、時に明示的に、時に暗示的に観客に提示しつつ、それでいて決定的な結論を押し付けない作風も、実に上品な仕上がりで良かったと思います。さらに、ドラえもんのオマージュであるイソベヤンの存在も、個人的には非常に刺さりました。後章ではイソベヤンそのものの登場機会が殆どなく、その点ちょっと残念ではありましたが、タケコプターオマージュが大活躍だったので満足出来ました。

 

声優については、ダブル主演の幾田りらとあのちゃんの2人が、門出と凰蘭の絵柄とか動き、性格に至るまで、非常にマッチしていて、見事なキャスティングだったと思います。テーマソングもこの2人が唄っており、本作がもっと話題にならないのが不思議というか残念なところではありました。

 

そんな訳で、本作の評価は★4とします。

 

総合評価:★★★★

詳細評価:

物語:★★★★★
配役:★★★★
演出:★★★★
映像:★★★★
音楽:★★★★★