甘い関係:2 (吉祥寺恋色:Short:佐東一護) | ANOTHER DAYS

ANOTHER DAYS

「orangeeeendays/みかんの日々」復刻版

ボルテージ乙ゲーキャラの二次妄想小説中心です
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日々の出来事など。

うちの一護ちゃんはチョイと遊び人なんだよ…。

 

before

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「嫌って言うか…無理だよね。一護ちゃんの彼女になんて…フリでも、期間限定でもごめんけど私には耐えられな…あ…」

 

***が慌てて口を噤んだその瞬間

 

「俺も無理。こっちこそお断りだよ。」

 

ガタッ

 

一護は一目で分かるほど 不機嫌を露わにしてしまう。

 

「おい、一護ぉ~…」

 

席を立ち 早々にクロフネを出て行くアイツは まさか自分が

 

カラン バンッ

 

「…ハハ…」

 

嫌がられるとは思っていなかったのでは無いかと…。

 

「…耐えられないとか…***、ちょっと言い過ぎ…」

 

「ごめ…」

 

実際オレと剛史も驚いた。

 

まさか断るとは。いや、断るにしてもガチで嫌がるとは思わなかったんだ。オレも

 

「計算狂った…」

 

気まずそうな顔をした剛史も。

 

はぁ…。

 

・・・・

 

「…ごめんなさい、変な空気作っちゃって…。」

 

***は俯き蚊の鳴くような声で言う。そして瞳を揺らしながら

 

「…私、一護ちゃんのこと、ちょっと苦手なんだ。」

 

そう、言った。

 

多分、日々のやり取りからそう感じ始めていたんだろう

 

「一護は…言い方がキツいからね…。」

 

「悪い奴じゃないよ。それは分かるだろ。」

 

「…うん…でも…私は…」

 

剛史が少しマジな顔をして一護をフォローする。それに対し***は頷くような首を傾げるようなそんな素振りで返す。それは

 

「合わないっていうか…。もちろん仲良くしたい気持ちはあるんだけど…一護ちゃん、バッサバッサと私の心を切りつけすぎ。」

 

結構重傷な証拠…。

 

「二人きりにはなれない。何を話したら良いのか分からない。…なんか泣きそうになるの。」

 

「う~ん…」

 

慣れない***はその都度アイツの発する言葉や行動に驚き まともに胸に刺さっていたんだろう。

 

「一護は全然お前の事嫌いじゃないし。むしろかなり心許してると思う。」

 

剛史はなんとか一護の株を上げようとしていたが

 

「そうかな…。多分一護ちゃん私の事、嫌な女だと思ってると思うよ。」

 

控えめながらもハッキリと否定した。

 

事実***は今も泣きそうな顔をしていたりして。

 

「…っつーか、断るならもっと上手くしろって。一護こそさっきのお前のリアクションに相当傷ついたと思います。」

 

「剛史、お前までもう…」

 

慰められるどころか剛史にまで叱られた***はもう作り笑いさえ出来やしない。俯き膝の上で拳を握るくらい涙を我慢してしまっている状態だった。

 

「お前が変な提案するからだろっ」

 

「いや、ホントにちょっと付き合ってみりゃ良いんだって。そしたら分かるから、お互いの良さが。」

 

剛史はバレンタインのチョコがどうこう…ではなく、***が一護という人間を勘違いしていると感じていたんだろう だから誤解を解こうと…にしても無茶苦茶な提案は逆に***を混乱させた。

 

「…ま。気にするなよ。大丈夫、一護もそんなグズグズと根に持つタイプじゃないし。」

 

「すげぇ根に持つよアイツ。」

 

「ハハ…。」

 

一護と***、上手いこといってくれりゃぁ良いなと思いつつ。

 

・・・・

 

だけどそうは上手くはいかないわけで。

 

「一護ちゃん、あの、昨日は…」

 

ガタッ

 

「ハル~。パン買いに付いてきて。」

 

えぇ??

 

翌日学校で一護の***無視が始まる。

 

***は幼なじみとして仲良くしていきたい気持ちから一護に何度も声を掛けるんだけど

 

「ねぇ一護ちゃん、この前話してた新作のケーキもう出た…」

 

ガタッ

 

「なぁタケ、お前この前貸した漫画そろそろ返せよ。」

 

とことん…とことん、自分の目の前から***を排除しようとしていた。

 

「…明日持ってきます。」

 

剛史とオレまで頭を抱える程 二人の関係は悪化、緊迫してしまう。

 

「一護、***を無視すんなって。すげぇ気にしてるぞアイツ。」

 

「俺たちも気まずい。」

 

帰り道 オレと剛史は一護に縋る思いで伝えたわけだが

 

「知らねーよ。」

 

「えぇ?」

 

「アイツが俺を嫌いなんだろ。わざわざ相手する必要がねぇだろ。」

 

「おい~…」

 

一護は完璧お冠…だとしても

 

「…別にどうでも良い、あんなバカ女。」

 

舌打ちしながらもその横顔はなんだかとても切なく見え…。

 

「…もう良い。」

 

「ハァ…。」

 

一護は思った以上に傷が深いことを痛感しているよう

 

機嫌の悪い状態から段々と元気の無い様子に変わっていったんだ。

 

・・・・

 

それからしばらく何日も二人は会話をしなかった。***も一護に相手にされない事に限界を感じたか 声を掛けることを止めたし

 

「気まず…」

 

「…。」

 

剛史が一護に聞こえるように言ったところで一護は全く聞く耳持たずの状態だったし。

 

「…なんだかなぁ。」

 

クロフネの奥のテーブルで4人で寛ぐことも無くなり…***はカウンター、オレ達幼なじみは同じ空間にいるものの空中分解してると言うか…。

 

「…ッチ。なんだよ、コーヒーねぇし。マスター、お替り。」

 

だけど、当然なんだけど、お互い気にしていた。視線はぶつかることはないまでも お互いをチラチラと目で追ってはいた。

 

「…はい、一護ちゃん。お替り。」

 

「…ん。」

 

クロフネの手伝いをしている***が注ぎ足しに来たりとか…少しずつ少しずつ距離は近くなっているのかな。

 

「まぁでも気まずいなぁ…」

 

「うるせぇよ、ハル。」

 

ギロッと睨まれたとしても 一護、お前もそろそろこの居心地悪い関係に限界じゃないのかって

 

もちろん***も…気になって仕方ないんじゃ無いかって

 

ガチャッ!!

 

「わぁっ!!」

 

え?

 

「キャァッ!ごめんなさい!!」

 

「おいおい!!どうしてくれるんだよ!!」

 

そんな焦れったい状態の時に起きたんだ。

 

「ごめんなさい!!」

 

「ごめんなさいじゃないよ!」

 

クロフネで。***が客に水ぶっかける事件。

 

 

next

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